渋谷の文化複合施設「Bunkamura」(渋谷区道玄坂2)の長期休館に伴いカフェレストラン「ドゥ マゴ パリ」が6月、スタンドとして移転する。
1989(平成元)年9月に開館した同施設は、オペラやバレエなどのステージを展開するオーチャードホール(2150席)、演劇を中心とした舞台表現の劇場であるシアターコクーン(747席)、美術館のザ・ミュージアム(総床面積837平方メートル、天井高4メートル)、ヨーロッパ映画を中心に上映する映画館のル・シネマ(シネマ1=150席、シネマ2=126席)、ギャラリー、ショップ、スタジオなどを併設。
隣接する「東急百貨店本店」(1月31日閉店)の再開発工事に伴う振動や騒音問題があることから、4月10日からオーチャードホールを除き長期休館することが決まっているが、それぞれ代替施設などを活用しながら活動を続ける。
施設が休館するに当たり、館内のショップなどは全店閉店することが決まっているが、仏国外唯一の店舗として営業してきた「ドゥ マゴ パリ」は、本国とも連絡を取り「ポップアップでも続けよう」という双方の思いから営業を続けることになった。
「ドゥ マゴ パリ」は、1884年にオープンした仏パリの老舗カフェ「ドゥ マゴ」唯一の海外業務提携店として同施設開館時から地下1階で営業してきた。19世紀のパリを想起させる店内や、施設中央の吹き抜け空間を生かしたテラス席などで、タルト・タタンなどパリのカフェやビストロの定番料理を中心に提供している。
移転場所は、同施設の映画館「Bunkamura ル・シネマ」が移転する「Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下」(渋谷1)内で、映画館の売店のようなイメージのスタンドカフェとして営業。食事などは難しく、コーヒーや軽食などの提供となる見込み。現在は運営委託をしているが、スタンドカフェは東急文化村が直営する予定。
例年7月にはフランス革命記念日にパレードや打ち上げ花火などを展開するフランスの祝杯イベント「キャトーズ・ジュイエ」に合わせて「ドゥ マゴ パリ祭り」を開催しているが、今年は会期を休館前に移し開催することが決まっている。同祭のそれ以降の開催は未定となっている。
Bunkamuraの営業再開は2027年度中、再開発プロジェクトの完成と同時期を予定。その際には、「ドゥ マゴ パリ」や各劇場、映画館などは再びBunkamura館内に戻る。
現在の「ドゥ マゴ パリ」の営業時間は11時30分~22時(日曜・祝日は21時まで)。