見る・遊ぶ 暮らす・働く 学ぶ・知る

Bunkamura、再開発に合わせ間もなく長期休館へ 今後の運営について説明

Bunkamura外観

Bunkamura外観

  • 241

  •  

 東急百貨店本店(1月31日閉店)の再開発に合わせて4月10日から長期休館するBunkamura(渋谷区道玄坂2)の今後の運営について、運営する東急文化村が会見を開き説明した。

日曜・祝日を中心に営業を続ける「オーチャードホール」

[広告]

 隣接する東急百貨店本店の再開発工事に伴う振動や騒音問題があることから、4月10日からオーチャードホールを除き長期休館することが決まっている。休館期間中、施設の補修や設備の更新、再開発プロジェクトで新築される施設と一体化に向けた改修工事を行う予定。

 施設というハードを離れることについて、中野哲夫社長は「一つのピンチでもあるが、チャンスと捉え」、新たな挑戦をしながら、それぞれ活動を続けていくという。

 オーチャードホールは4月10日以降に電源工事などを行った後、5月に営業を再開。再開発工事が行われない日曜・祝日を中心に、レギュラーの自主公演と東京フィルハーモニー交響楽団の演奏会、Kバレエカンパニーの公演などを行っていく。併せて、「横浜みなとみらいホール」「めぐろパーシモンホール」など東急沿線を含めた他会場も活用する。

 シアターコクーンで行っている自主制作公演「COCCON PRODUCTION」は、東急が新たに開業する「東急歌舞伎町タワー」(新宿区)内の「THEATER MILANO-Za」を中心に活動。シアターコクーンの芸術監督を務める松尾スズキさんらが講師となり、Bunkamura館内などを活用する若手演劇人の育成所「コクーン アクターズ スタジオ」を新たに立ち上げることも発表した。

 ル・シネマは、昨年12月で営業を終えた「渋谷TOEI」跡に「Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下」として6月に移転オープンし、こけら落としでは香港出身の女優マギー・チャンさんの回顧上映を行う。同月には、ミュージカル劇場「東急シアターオーブ」との親和性が高いプログラムとして、「レント」「キンキーブーツ」のブロードウェー製作版映画などを上映する「ミュージカルが好きだから」も予定。

 ザ・ミュージアムに代わり「ヒカリエホール」などで行う展覧会は、テーマ性・先見性・話題性を持たせる。ヒカリエホールでは7月8日から、故ソール・ライターさんと平間至さんの写真展を同時開催する。展覧会の同時開催は初の試みとなるほか、生存する日本人作家の展覧会はこれまでほとんどなく、平間さんを招いたトークショーなども予定する。

 ギャラリーは「渋谷ヒカリエ」8階の「d47 design travel store」跡に6月10日、「Bunkamura Gallery 8/(ハチ)」として移転。オープニングでは、これまでギャラリーで個展やグループ展を開いたアーティストなどから選出した作家19人の新作展を予定する。

 今後、代替施設は駅前周辺が多くなることから、「より多くの人に文化芸術に触れてもらうチャンスになる」と考える中野社長。営業再開に向けては、「より多くの人たちへの文化発信」「新しい技術の文化芸術への活用」「次の世代へのバトンタッチ」をテーマにリニューアルを進める。これまで、60代を中心に年間約320万人(2019年)が来館していた同施設。コロナ禍で10分の1程度まで減った来館者数は戻っているものの、年齢層は10歳~15歳ほど若くなっているという。

 中野社長は「これまで来館客に合わせて企画を組み立てていたが、(若年層の)アート志向はさらに進む。伝統的な文化を紹介するフェーズは変わってきた。より若い人たち、より好奇心の強い人たちに合わせた企画にシフトしていく。より大きな感動・刺激を与え、創造力を想起する新しい取り組みことをやっていくことが(Bunkamura)らしさ」と話す。

 営業再開は2027年度中、再開発プロジェクトの完成と同時期を予定。その際、各劇場や映画館などは再びBunkamura館内に戻る。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース