昨年12月に69年の歴史に幕を下ろした映画館「渋谷TOEI」(渋谷区渋谷1)跡に今年6月オープンする映画館「Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下」のこけら落とし企画が、香港の女優マギー・チャンさんの回顧上映に決まった。
複合文化施設「Bunkamura」(宇田川町)内の映画館「Bunkamura ル・シネマ」の移転オープンとなる同館。1月に閉店した東急百貨店本店に併設するBunkamuraは、両施設を含む周辺一帯の大規模再開発に伴い、一部を除き改修工事を行う。これにより4月10日で長期休館に入ることが発表されている。
Bunkamura ル・シネマ渋谷宮下では、「Bunkamura カラー」を軸に「渋谷駅前・宮下エリアならではの刺激的なエネルギーを吸収し、これからの未来に開かれた映画館」を目指す。
チャンさんは1964年香港出身。18 歳の時に2位でミス・ワールド香港代表に選ばれたことがきっかけで芸能界入りした。ジャッキー・チェンさんの相手役を務めた「ポリス・ストーリー 香港国際警察」(1985年)や、ウォン・カーウァイ監督のデビュー作「いますぐ抱きしめたい」(1988年)などに出演し、1989年の「仔猫のように抱きしめて」で香港のアカデミー賞と言われる「香港電影金像奨」で最優秀主演女優賞を受賞。同賞はこれまで最多記録となる5回受賞している。1930年代に中国で活躍した女優ロアン・リンユイの半生を描いた「ロアン・リンユイ 阮玲玉」でベルリン国際映画祭女優賞、元パートナーであるフランスのオリヴィエ・アサイヤス監督作「クリーン」(2004)でカンヌ国際映画祭女優賞を受賞している。
「マギー・チャン レトロスペクティブ」と題する回顧上映では7作品をラインアップ。作品は、「クリーン」や4Kリマスター版で上映する「ロアン・リンユイ 阮玲玉」のほか、主人公の「永遠に忘れることのできない最愛の女性」として登場した「欲望の翼」(1990年)、2001(平成13)年にBunkamura ル・シネマで封切公開されロングランヒットを記録した「花様年華」(2000年)、日本公開から25年を迎えた「ラヴソング」(1996年)などを予定する。