Bリーグ・サンロッカーズ渋谷（以下、SR渋谷）が1月21日、国立代々木競技場第二体育館（渋谷区神南2）で三遠ネオフェニックス（以下、三遠）と戦い103-93で勝利した。

19得点アシスト11本をマークするなどしたベンドラメ礼生選手

　4連敗中のなかコンディション調整やけが人が相次ぎ、8選手で戦ったこの日。ケビン・ジョーンズ選手の得点で先制すると、ボールを奪う好守からの速攻でジェームズ・マイケル・マカドゥ選手が後ろ向きでダンクを決めるなど、序盤から場内を沸かせ23-17とリードを奪う。

　ベンドラメ礼生選手を中心にドライブ（ドリブルでゴールにアタックするプレー）から攻撃を組み立てる場面が目立ったが、浜中謙ヘッドコーチ（HC）は木下博之アシスタントコーチから助言があったことを明かし「僕が持っていない部分、長年プロでやっていた経験をエッセンスとして助言してくれるので心強い支えとなっている」と話した。

　第2クオーター（Q）立ち上がりに連続失点で点差を詰められると、点を取り合う展開となる。パスやドリブルのボールに手を出し、ルーズボールを取るプレーなどからの得点で、同Q中盤で一歩前に出た。3ポイント（P）シュートを決めたベンドラメ選手はパスした小島元基選手からすぐに戻ってきたボールをシュートしたが、「『打て』っていうパスだろうと迷わず打った。元基がつないだことでゾーンが収縮してスペースができた。起点になってくれたのはありがたかった」と振り返った。

　46-39で迎えた第3Q。タフなシュートから走られる場面も見られるが、SR渋谷も好守から速攻を仕かけ走り負けない。一進一退の攻防が続くなか我慢し、64-63で最終Qに突入した。

　残り5分を切り一時5点差を付けられるが、ジョーンズ選手のインサイドなどで試合を振り出しに戻す。小島選手の3Pをアシストしたジョーンズ選手は、自身の守備に日本人選手が付いていたことから「ドリブルしたら（守備を）引き付けられると思った。寄ってきたところで空いている元基を見つけて、決めてくれると信じてパスした」と話した。

　互いに譲ることなく87-87で突入した延長戦。「ディフェンスをしたチームが勝つと話し共通理解を持っていた」と、ジョーンズ選手が三遠のシュートをブロックするなど約4分得点を与えなかったSR渋谷。攻撃ではマカドゥ選手がリバウンドやインサイドから得点を重ね勝ちきった。

　外国籍選手1人で戦う時間帯も離されずつないだ。浜中HCは「負けず嫌いな所は信頼しているので自信をもって送り出した。西野（曜）、津屋（一球）、渡辺（竜之佑）と体と身長がある選手が頑張ってくれたし、リバウンドゲームで負けなかったのは結果以上に大きかった」と評価。加えて、三遠の3Pを約30％の確率に抑えたことには「３Pをやられないことは強調した。ベンドラメ、津屋、渡辺が必要以上にディフェンスをしてくれたおかげで入るだろうシュートも外れてくれた」とも。

　両チーム最長の約42分出場したジョーンズ選手。「ベストを尽くしてチームのために得点もディフェンスも頑張らなければいけないと思っていたし、自分が継続してプレーできるようチームメートからの声がけもあった」と言う。3Pが警戒されるなか「（もう一つの）強みであるポストプレーに切り替えて狙って攻めた」とインサイドを中心に得点を重ね、27点を挙げた。

　ジョーンズ選手のタフさについて同じ年で同じ大学出身の浜中HCは「出身大学が良いからじゃないですか（笑い）」と冗談めかしつつ、「大学時代にもワークアウトに付き合えとよく言われていた。バスケに対するひたむきさがあった。HCになって特別扱いする気はないが信頼している」と話した。

　19得点を挙げたベンドラメ選手は「3Pが入ったので結果的に良かった」が、5本以上外したレイアップに課題を残した。それでも「縦のアタックが一つの武器なので、止めたら僕はただの選手になる」とアタックし続け、「ドライブをした時に周りが見えてパスしたら皆が決めてくれた。しっかり引き付けてノーマークにパス出せて良かった」とアシストは11本に伸ばした。

　同所での3連戦を終えたSR渋谷。ベンドラメ選手は「（体育館の形から）拍手はコートに向けて飛んでくるバスケを見るには良い体育館。たくさんの人が見に来てくれた、これを（普段使っている）青学でも見られたら」と振り返った。

　次節は今月28日・29日、アウェーで大阪エヴェッサと戦う。