企画展「マリー・ローランサンとモード」が2月から、渋谷の複合文化施設Bunkamura(渋谷区宇田川町)地下1階の美術館「Bunkamura ザ・ミュージアム」で開催される。
1920年代を中心に1900~1930年代のアート、ファッションに登場した新しい女性たち「モダンがール」のスタイルの変遷を検証する同展。モダンガールは、短髪のヘアスタイルやストレートなシルエットのドレスをまとった女性たちで、第一次世界大戦によって女性の社会進出が進んだ20世紀を「象徴する存在」だったという。
この時代に活躍したのが、共に1883年にフランスで生まれた画家のマリー・ローランサンと「シャネル」を立ち上げたファッションデザイナーのココ(カブリエル)・シャネル。
生誕140年に合わせて開催する同展ではローランサンの絵画を縦軸に、ポール・ポワレのファッションイラスト、シャネルやマドレーヌ・ヴィオネのドレス、1920~1930年代のファッション雑誌や写真など約90点を展示する。
パブロ・ピカソらと交流のあったローランサンは、初期の「キュピズム」の色濃い作品から後にパステル調の淡い色調や「優雅な」フォルムが特徴の作風に変化。社交界の女性の肖像で注目を集めた。
シャネルは帽子デザイナーとして1909年に帽子売りを始め、翌1910年に「シャネル・モード」を出店。1906年にポール・ポワレがコルセットを着けないハイウエストのドレスを提案したなか、1926年に米ファッション誌「ヴォーグ」で発表した、ジュエリーやスカーフなどを合わせられるユニホームのような「ニュートラルな」ドレス「リトル・ブラック・ドレス」で「新しいエレガンスの方程式」を提案したという。
会場では、30年以上「シャネル」のデザイナーを務めた故カール・ラガーフェルドさんは、ローランサンからインスピレーションを受けた。2011年春夏オートクチュール・コレクションでは、ローランサンの色使いから着想を得たコレクションを発表。会場ではそのドレスも展示する。
開催時間は10時~18時(金曜・土曜は21時まで、入館はいずれも30分前まで)。入館料は、前売り=一般1,700円、大学・高校=800円、中学・小学生500円、当日=同1,900円、同1,000円、同700円ほか。開催期間は2月14日~4月9日(3月9日は休館)。