Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が12月25日、青山学院記念館(渋谷区渋谷4)で仙台89ERS(以下、仙台)と対戦し84-77で勝利した。
昨日に続きヘッドコーチ代行を務めた浜中謙コーチは、コンディション調整などで3選手を欠いたことに加え、「選手にいろいろな意味で準備をしてほしいし、責任感を持ってもらえたら」とスタートで出場する選手を前日から入れ換えて臨んだこの日。
ベンドラメ礼生選手の得点で先制したが、守備のズレを突かれたシュートやゴール下に飛び込まれるなどして序盤から追う展開となる。それでも、欠場した選手の分も「自分がやらなきゃ」と、津屋一球(かずま)選手がドライブ(ドリブルでのインサイドへのアタック)と外角で積極的にシュートを狙うなど、16-23と引き離されず付いていく。
第2クオーター(Q)には、ベンドラメ礼生選手がドライブからの得点やアシストなどで攻撃を引っ張る。仙台のミスからの速攻で逆転となる3ポイント(P)シュートを沈めた津屋選手は、「逆転したいタイミングだった」ことに加え、SR渋谷が目指す速い展開からの得点だったことから「うれしかった」と、パスを出したケビン・ジョーンズ選手とハイタッチを交わした。同Q後半には「アタックをさせてほしい」と自ら要求したジェームズ・マイケル・マカドゥ選手がインサイドで得点を重ねた。
43-37で迎えた後半。立ち上がりにベンドラメ選手の連続3Pで2桁リードを奪う。同時に、ジョーンズ選手は仙台のシュートをブロックしたほか、関野剛平選手がプレッシャーをかけるなど守備の強度を上げた。ルーズボールを追うハッスルプレーを見せたマカドゥ選手が、「選手もファンもエネルギーを出して、アリーナをエネルギーで満たしたかった」とファンをあおる仕草を見せると、応えるように場内からは大きな拍手が起こった。
ジョーンズ選手、ライアン・ケリー選手が連続で3Pを沈め63-51とリードを広げ迎えた最終Q。攻守で好プレーが続き、ケリー選手のドライブからのパスで津屋選手が3Pを沈めこの日最大となる18点差を奪う。中盤はシュートを決めきれず得点が停滞すると、速攻で失点したほか、アグレッシブな守備がファウルになるなどして点差を詰められる。それでも、浜中コーチは選手を集め「オフェンスを落ち着いてやろう」と声をかけると、選手たちは攻撃の制限時間を使いながらも得点を重ね、仙台の追い上げを振り切り連敗脱出となった。
前日勝機を逃した理由として「勝ちを急いだ」ことを挙げた浜中コーチ。この日は「追い上げられる時間帯も我慢したのはステップアップが見られ、ただの連敗脱出以上の価値がある」と勝利を喜んだ。前日の試合で得点が停滞した時間帯に「少なかった」反省を生かして試合を通して続けたドライブについては、随所で決まった3Pも含め「アタックをきっかけに良いバスケットをできた瞬間が多かった」と評価した。
「持っているものを全て出し切った」と振り返ったマカドゥ選手は、「自分がリーダーだという思いも持っている。一生懸命プレーすることは言い続けた」とベンチでも積極的に仲間に声をかけた。試合中は、円陣を組む回数も多く感じたが、「昨日の試合が終わってから(田渡)修人が話していたし、コーチからも指示があった。全員が意識した」と言う。
パスを簡単につながれないようにするなど守備を「遂行できた」と振り返った津屋選手は、身長2メートルを超す帰化選手ともマッチアップしたが、「アシストなど起点になる瞬間もあったので、(前日の試合で西野)曜と(井上)宗一郎が守れていたのをイメージして、悪いパスを出させるように意識した」と言う。クリスマスということもあり「(勝ちを)プレゼントできたのは安心したが、連敗脱出が一番大きく、ここから波に乗っていけたら」とも。
次節は今月28日、ホームに横浜ビー・コルセアーズを迎える。