Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が12月24日、青山学院記念館(渋谷区渋谷4)で仙台89ERS(以下、仙台)と対戦した。
3連敗中のSR渋谷は、新型コロナの影響で前節が中止となったほか、今月23日に伊佐勉ヘッドコーチ(HC)らの退団が発表された中で迎えたこの日。浜中謙アシスタントコーチ(AC)が代行で指揮を執った。
「良い入りができた」(ベンドラメ礼生選手)立ち上がり。仙台の攻撃を制限時間いっぱい守るなど好守が見られたほか、攻撃ではライアン・ケリー選手を中心に3ポイント(P)シュートを計6本決めるなどして、23-17とリードを奪う。
第2クオーター(Q)は、仙台が2メートルを超す選手3人を同時起用するとSR渋谷も同様のラインアップで対抗。しかし、その布陣での練習不足もあり「うまくテンポが生まれなかった」(ベンドラメ選手)ことに加え、ブロックされるなど3Pシュートが1本も決まらず得点が伸び悩んだ。浜中さんは「現代バスケは3点が入らないとリズムも得点も伸びない。正しい答えを早く導き出せるようにやっていきたい」と話した。
それでも、30-37と失点も抑えられていたこともあり「我慢し続けよう」(浜中さん)と迎えた後半。ベンドラメ選手との連携やボールを奪うプレーからジェームズ・マイケル・マカドゥ選手が得点を重ねる。ベンドラメ選手は同Q後半、「得点が止まっていたので、きっかけを作りたい」と連続で得点を挙げた。さらに残り約10秒からの攻撃では、時間が残っていたこともありトップから攻撃を組み立てようと試みるも、「ディフェンスが寄ってきているのを背中で感じたので、コーナーで打つと決めた」と、ドリブルでディフェンスを振り切りブザービーターとなる3Pを決めた。
「良い締めだった」(ベンドラメ選手)と51-60で最終Qに突入したが、インサイドを狙ったパスが連続でミスとなったベンドラメ選手は、「シュートの選択肢を自分で作らなかった。今日の自分だったら決め切れた」と反省の言葉を口にした。早い段階で仙台のチームファウルが溜まると浜中さんは、「負けが込みいろいろなことが起きても会場に足を運んで下さるのはありがたいこと。一体となってホームコートを作れたらと思った。キャラでは無いことをしてみすぼらしいかと思ったが、チームの為なら」と、観客をあおる仕草も見せた。それでも流れを引き寄せきれず、70-83で敗れた。
「1週間ずっと緊張し続けていた」と言う浜中さん。伊佐HCと約5年同じチームでコーチを務めていきたが、「人間としてすごく尊敬しているので、心の支えだったことをいなくなって余計に感じている」と胸の内を明かしつつ、「選手もファンの皆さんもいるので次に進んでいかないといけない」と前を向き、「全力を尽くして、連敗脱出できるように一丸となってやっていけたら」と話す。ジェームズ・アンドリセビッチACも退団したことから、コーチが2人となっているSR渋谷。浜中さんは「スタッフから一枚岩になって戦わないと難しい。木下(博之AC)のゲームに対する感覚は僕が経験していない部分なので、意見をぶつけてくれと、腹を割ってコミュニケーションしていこうとしている」とも。
伊佐HCに関連する質問がNGという厳戒態勢となった記者会見。選手たちの思いを聞くと、ベンドラメ選手は「ファンも知りたい」とスタッフの制止を振り切り、「選手が替わったわけじゃないし俺たちはそういう世界で生きている。今日応援に来てくれたことがすごくうれしいし、俺たちも見てくれるファンのために戦うだけ。コートの上でできることは勝つことだけ。(選手間では)コートの上でしっかり表現していこうという話をした」と答えた。「自分たちのリズムが出てくると思うし流れは出ると思うので、全員で何とか1勝したい」とも。
両チームは25日も戦う。