Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が12月11日、青山学院記念館(渋谷区渋谷4)でファイティングイーグルス名古屋(以下、FE名古屋)と対戦した。
立ち上がりからジェームズ・マイケル・マカドゥ選手のインサイドの強さを生かし得点を重ねたSR渋谷。守備ではFE名古屋の帰化選手にダブルチームを仕掛けてミスを誘うなど簡単に得点を許さなかった。守備でボールを奪ったりリバウンドから得点を挙げたり西野曜選手の貢献もあり25-21で迎えた第2クオーター(Q)。ベンドラメ礼生選手からのパスでマカドゥ選手がアリウープダンクを決める豪快なプレーも見られたが、守備のミスで3ポイント(P)シュートを許す場面が増え逆転を許す。それでも、ベンドラメ選手がルーズボールに飛び込むなどハッスルプレーを見せ、スローインのボールをカットしに行ったレーには拍手が送られた。
45-49で迎えた後半立ち上がりは、攻撃面でコートを広く使うために外角のシュートが打てる津屋一球(かずま)選手をスタートで起用。守備ではFE名古屋の帰化選手に「ファウルを使いながら」守らせたが、早い段階で個人ファウル3つとかさんだ。伊佐勉ヘッドコーチ(HC)は、日本人ビッグマンの井上宗一郎選手を投入したことで落ち着いたことから「今季あまり試していないが、ポジティブな印象」と振り返った。第3Q後半は、FE名古屋は外国籍選手がボール運びをしたことから、本来ボールを運ぶポジションの日本人選手にプレッシャーをかけるために投入した関野剛平選手の「良い所も出せなかった」。63-73と点差を広げられたが、ライアン・ケリー選手や西野選手などのインサイドへのアタックで得点を重ねた。
追い上げを図りたい最終Qだったが、4分強得点が決まらず点差が広がる。起点となった立ち上がりの3連続のミスを「あそこで試合が決まってしまった感じがある。もったいなかった」と指摘した伊佐HC。来週は平日の試合もあることから、約5分を残して外国籍選手などをベンチに下げた。
最後は若手選手を中心にコートに送り出したが、「一人ひとりが全く違う方向を見ながらバスケットをしていた」(伊佐HC)。残り約2分で「ディフェンスをしっかりやらせろ」という指示を受けてコートに立った渡辺選手が直後にボールを奪う好守を見せると、続くように津屋選手や井上選手もミスを誘った。渡辺選手は「最後、チームの雰囲気は良くなかったが、プレッシャーをかけるディフェンスからできたのは次につながる。それぞれがやってくれた」と話した。
結果は76-100。前日に続き敗れ、今季初めて同じチームに連敗したSR渋谷。伊佐HCは今季幾度と発している「どんな状況であれ強いチームは連敗しない」と言う言葉を改めて口にした。SR渋谷は現在地区3位と上位につけているが、「自分たち悪いのに上位にいるのは危険。危機感は皆で共有しないといけない」と話す。
前節から3Pの決定率が上がらない試合が続いている。これまでは、夏から取り組んでいる攻撃でのスペースの取り方の練習の効果もあり確率が上がっていたが、「ボールに寄っていく」スペースの取り方の悪さや、パスのタイミングなど「ちょっとずつずれてきているのかな」と考える伊佐HC。「やりたいオフェンスが遂行できなかった」と触れた渡辺選手は、マークマンを変える守備に苦戦している印象があるが「ムーさん(=伊佐HC)も練習でやっていこうと話していたので見直したい」と話した。
渡辺選手は、昨季はシーズン中に体重が78~9キロまで落ちたことから今季はオフやバイウイークなどにも継続して体作りを続け「年々筋量も増えていると思うし、強くなっている」と自負することもあり、帰化選手とのマッチアップも「めちゃくちゃ体が強かったが守れる」と自信を得た様子だった。「ほかの外国籍選手(の守備)にもつきたかった。今度の群馬(クレインサンダース)戦などでもチャンスがあると思うのでチャレンジできたら」とも。
次節は今月14日、アウェーで新潟アルビレックスBBと戦う。