冬の風物詩となっている表参道のイルミネーションが12月1日、点灯した。主催は商店街振興組合原宿表参道欅会。

点灯式に参加した生見愛瑠さん

　1991（平成3）年に約300メートルの規模で試験的に始まり、翌1992（平成4）年から本格的に行われている同所のイルミネーション。見物客に対する周辺住民の不満などから1998（平成10）年に中止したが、2009（平成21）年に復活。2012（平成24）年には協賛が付かず低木のみの装飾となったが、2014（平成26）年以降は協賛が集まり再びケヤキも点灯していた。

　フェンディ ジャパン（千代田区）が協賛し点灯する今年。原宿駅前の神宮橋交差点から表参道交差点までの約1キロに植えられているケヤキ154本と植栽帯にシャンパンゴールドのLED約90万球を装飾する。期間中は表参道内に架かる歩道橋2カ所は利用禁止となる。

　初日には3年ぶりとなる点灯式を行った。商店街振興組合原宿表参道欅会の松井誠一理事長は「（表参道の）ケヤキのほとんどは1951（昭和26）年に、樹齢1・2歳の若い木を植えた。そこから約70年。相当木の大きさが変わっている。これからもできるだけ続けていきたいし、皆さんに楽しんでいただければ」とあいさつした。

　長谷部健渋谷区長は「表参道は明治神宮の参道で、和の文化がたっぷりとベースにある所に世界中からブランドが来ているし、カルチャーが通りの上で交わっている。渋谷が目指している『違いを力に変えるまち』、ダイバーシティ＆インクルージョンを体現している通り。街の成り立ちなども知っていただけると、さらに表参道を楽しんで愛してもらえるのでは。この明かりの下で楽しんでいきましょう」と呼びかけ、LVMHモエヘネシー・ルイ・ヴィトン・ジャパンのノルベール・ルレ社長は「（話す時間は）あと30分です」などのユーモアも交えながら、「ホリデーシーズンにふさわしい心躍るエクスクルーシブな体験を皆さんにお楽しみいただけたら」と呼びかけた。

　式にはモデルなどで活動する生見愛瑠（ぬくみめる）さんがゲストとして登場。「毎年通ると、クリスマスが始まると思う」という同所のイルミネーション。自らボタンを押し、通りのイルミネーションが一斉に点灯すると感嘆の声を上げ、「ついた瞬間を見たのは初めて。すごくきれいで、どきどきした。ぜいたくな経験をさせてもらった」と振り返った。

　点灯時間は日没～22時（予定）。12月29日まで（植栽は2023年1月5日まで）。