Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が11月30日、三遠ネオフェニックス(同、三遠)と戦い87-82で勝利した。
同地区の首位攻防戦となったこの日。津屋一球(かずま)選手や田渡修人選手が三遠に、三遠・山内盛久選手はSR渋谷にそれぞれ所属していたこともあり、試合前から両チームの選手たちが交流する姿が見られた。
津屋選手は「古巣ではあるがガラッと違うチームで、同地区の優勝を争うライバルとして戦った」と言うが、試合中にも三遠の選手と言葉を交わしていた。「特にサーディ(・ラベナ選手)は練習中にバチバチやり合っていた仲なので、やられたシーンは多かったが楽しくバスケができた」と笑顔を見せた。
試合は、立ち上がりにジェームズ・マイケル・マカドゥ選手がボールを奪うプレーからダンクを決めたほか、石井講祐選手がスローインのボールに手を出すなどアグレッシブな守備を見せる。ミスが続き第1クオーター(Q)中盤でビハインドを負うも、ディフェンスリバウンドを抑え、渡辺竜之佑選手や盛實海翔選手らが速攻を仕掛けペースを上げる。「思い切り打とうと決めていた」という津屋選手は積極的に3ポイント(P)シュートを狙った。
20-23で迎えた第2Qは、「ドリブルが多すぎた」(伊佐勉ヘッドコーチ(HC))とインサイドへのアタックがターンオーバーになるなど2分強得点が決まらず、リバウンドも取られ一時最大11点差を奪われる。「もう1回(得点を)決められたらタイムアウトを取ろうと思った」(伊佐HC)が、津屋選手、ケビン・ジョーンズ選手、ライアン・ケリー選手が連続で3Pを沈め、44-47と点差を詰めて前半を折り返した。
後半立ち上がりはベンドラメ礼生選手がミスを誘う守備や、リバウンドからの速攻でファウルを受けながらレイアップを決めるなどチームを引っ張る。ケリー選手らがシュートをブロックし、渡辺選手らはリバウンドで攻撃をつなぐなど攻守で好プレーが見られた。
65-62と逆転し迎えた最終Qは一進一退の攻防が続く。ジョーンズ選手は外角のシュートを高確率で決めるとともにシュートをブロックする好守見せたほか、ベンドラメ選手はビッグマンに当たり負けずにレイアップを決め終盤に突入。残り3分51秒に3Pを沈めた津屋選手は雄叫びを上げる姿を見せたが、「あのような場面でパスが回ってくることが今までなく、やっと来たという感じで思い切り打って良かった。入った衝動で吠えてしまったが、あのような場面で決め切るのがシューター。自分の仕事」と振り返る。さらにディフェンスでは三遠の攻撃の起点となっていたラベナ選手のミスを誘ったが、「オフェンスがのればディフェンスものる。周りのカバーもあってターンオーバーさせたのは大きかった」とも。残り1分を切って連続3Pで詰め寄られたが逃げ切り勝利した。
10得点を挙げるなどして移籍後初のヒーローインタビューに選ばれた津屋選手。「うれしかった。ずっと調子が良くなくて悩んでいたが、今日で吹っ切れかけているので、僕の良いスタートになれたかな」と喜びを表現。この日は3Pを7本と多く放ったが、「石井さんや(田渡)修人さんというシューターの大先輩もいっぱいいるので、そういう人たちも決めてくれるという安心感も持ちながら、(仲間も)『思い切り打て』と言ってくれるので今日はしっかりできたかな」と振り返る。
今季得点が伸び悩んでいた津屋選手に対し伊佐HCは、バイウイーク期間中に「ミスをしてもシュートを決めても変える時は変える。それだったら打った方が良いんじゃないか。昨年の(3P成功確率)45%はまぐれじゃないからどんどん打っていけ」と伝えたていたと言う。「実力の30%くらいしか出せていないが、やっと彼らしいアウトサイドが決まってきたので、そこがプラスされればもっと爆発的なおオフェンスになるかな」と期待を込める。
次節は今月3日・4日、アウエーでシーホース三河と戦う。