「ポーランド映画祭2022」が11月22日、東京都写真美術館(恵比寿ガーデンプレイス内)で始まった。主催はポーランドの文化・国家遺産省傘下の国立文化機関アダム・ミツキェヴィチ・インスティテュートほか。
ウクライナでの飢餓を描いた「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」より
ポーランドのイエジー・スコリモフスキ監督が監修する同祭は2012(平成24)年に始まり、今年で11回目を迎える。
上映作品は10作品。今年カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞したスコリモフスキ監督の最新作でロバが主役の「EO」、今年のベネチア国際映画祭オリゾンティ・コンペティション部門にノミネートされた作品で、実際に起きた事件を基にプロではない俳優を起用して製作した「パンと塩」、モノクロ映像を中心にした音楽ラブストーリー「愛についての歌」、韓国・レバノン・ポーランドの「世界の分断や悲劇を象徴する」場所でショパンを演奏する3人のピアニストを撮ったドキュメンタリー「ショパン 暗闇に囚われることなく」をジャパンプレミア上映。
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続くなか上映するのは、「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」。同作はヨシフ・スターリン時代のソビエト連邦に潜入取材しウクライナでの人為的な飢餓(ホロドモール)を報じた英ジャーナリストのガレス・ジョーンズの実話を基にした作品。
ポーランドの作曲家、故ヴォイチェフ・キラルさんの生誕90年を記念した特集では、キラルさんが作曲を担当した3作品をピックアップ。作品は、ポーランドの詩人アダム・ミツキェヴィチが亡命先の仏パリで発表した長編叙事詩をアンジェイ・ワイダ監督が映像化した「パン・タデウシュ物語」、実在するユダヤ人小児科医ヤヌシュ・コルチャックの生涯を描きカンヌ国際映画祭で特別表彰を受賞した「コルチャック先生」、吸血鬼伝説に基づいたブラム・ストーカーの小説「吸血鬼ドラキュラ」を映画化した作品で、アカデミー賞で衣装デザイン賞を受賞した衣装を石岡瑛子さんが担当している「ドラキュラ」。
鑑賞料は一般1,500円ほか。今月27日まで。