Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が11月20日、青山学院記念館(渋谷区渋谷4)で茨城ロボッツ(以下、茨城)と戦い97-95で競り勝った。
94-95のビハインドで迎えた残り2.5秒からの攻撃で、石井講祐選手が3ポイント(P)シュートを決めて逆転勝利したこの日。コーチ陣は石井選手かライアン・ケリー選手の2Pをデザインしたが、「空いているスペースに動こうと思ったら、たまたま3Pだった」と言う石井選手。元々3Pを武器とするがこの日は3Pを1本も打っていなかったなか、「試合の前やハーフタイムでもシュートの感じが良かったので、打てたら入ると思った」と自信を持って打ち切った。伊佐HCは「2点で良かったのに、打ちやがって(笑い)」と冗談めかしつつ「決まって良かった」と振り返る。シュートに加え「良い判断をした」と評価した、石井選手にパスを出した盛實海翔選手は「ノーマークになったのが見えたので、『後は任せました』という感じで」ボールを預けた。
ビッグショットを決めた石井選手が「全員で勝ち取った大きな勝利」と振り返ったこの日。立ち上がりで連続得点を許すが、石井選手がボールを奪う好守を見せるなどして試合を振り出しに戻す。途中出場した盛實選手は最初のシュート試打で3Pを沈めたが、「よくパスが回っていて良いシュートにつながるプレー」が見られていたなか、「ほとんどノーマークでパスをもらえたので打つだけだった」と言う。第1クオーター(Q)残り10秒からの攻撃では自ら「完結しようと思っていた」とコートの端からボールを運びレイアップシュートを決めきった。
26-25で迎えた第2Q。ケビン・ジョーンズ選手が個人ファウル2つとなったことから、外国籍選手0人または1人で戦う時間帯も見られた。その時間帯には、西野曜選手が機動力を生かしたレイアップや得意とするゴール下への飛び込みで得点を重ねた。盛實選手は、前日の試合で転倒した影響でジェームズ・マイケル・マカドゥ選手が欠場となったなか、「総力戦になると話していた」こともあり、自らが得点を挙げる意識や「どんな時も得点第一という考え方でいたのが数字として出たのかな」と前半だけで10得点を挙げた。
後半立ち上がりは、前半から得点を重ねていたケリー選手が長距離のシュートを4連続で沈めるなど、ベンチの選手も「止め方を教えてくれよ!」と冗談めかす「無双」状態に。ミスなどがあり点差を詰められるも72-70とリードして迎えた最終Qはシーソーゲームとなる。中盤には再び外国籍選手0人または1人で戦ったが、井上宗一郎選手が身長のミスマッチを生かしファウルを誘発し得意の3Pを2本決めると、ルーズボールなど記録に残らないプレーで貢献していた田渡修人選手も3Pを沈め、得点をつないだ。
「すごく大きな一勝」と勝利を喜んだ伊佐HCは「プレータイム関係なく、ほぼ期待通りプレーして皆でつないだ」と選手を称え、石井選手は「(欠場者がいても)全員で勝ちきれると思っているし、俺たちはやれるという自信も深まった」と続けた。
インサイドでの得点が茨城を上回ったが、ケリー選手・ジョーンズ選手・井上選手が3Pを得意としていることから「コートが広くなり守りづらくなる」と考え、選手達にはゴール下が「空いているだろう」と伝えていたという伊佐HC。ハイスコアの展開には「(97点)取れたのはちょっと出来過ぎだが、点の取り合いに付き合えたのは大きかった」とも。
石井選手はアシスト9本とキャリアハイを記録。前日21得点を挙げていたこともあり、茨城の選手が石井選手の得点を警戒していたのを「利用して味方のノーマークを見つけてパスを出せたのかな」と振り返る。終盤にはジョーンズ選手との連携プレーでパスミスになりそうな場面もあり苦笑いをこぼしていたが、「危なかった。KJが上手くフォローしてくれた」とも。
次節は今月26日・27日、ホームにレバンガ北海道を迎える。