Jリーグ・FC東京の塚川孝輝選手・松木玖生選手らが11月10日、長谷部健渋谷区長らを表敬訪問し、2022シーズンの終了を報告した。
今季はミクシィ(渋谷区渋谷2)が東京フットボールクラブ(調布市)の親会社となったほか、新たにスペインのアルベル・プッチ・オルトネダ監督を迎えるなど「変容したシーズン」となった。
東京都をホームタウンと位置付けるなか、近年は特に23区内での認知向上を図り渋谷区内での取り組みも強化。今年は小学4~6年生を対象にしたトレセンサッカースクール事業にクラブからコーチを派遣したほか、選手がオンラインで小学校を訪問。5月30日の「ごみゼロの日」には、選手も参加し街なかの清掃活動を実施。9月には、渋谷区のスポーツ振興に貢献するスポーツチームや団体、人などを認定する「PLAY渋谷区」に認定された。
新体制となった今季は、34試合を14勝7分13敗で18チーム中6位という成績を収めたなか、ホームでは8勝3敗6分けと強さを見せた。今季は国立競技場で2度ホーム試合を行い、9月には5万人以上を収容するなどしてリーグ2位の入場者数となった。
新型コロナウイルス感染症に伴う規制が緩和され、一部エリアで対策を講じながら声を出しての応援が可能となった。プロの試合で初めてファンの声援の中プレーした松木選手は「自分たち以外のサポートがすごく大事だと感じた」と振り返る。
松木選手は高卒ルーキーとしてFC東京に入団したが、「即戦力」として開幕戦から先発出場を果たすなど31試合に出場。「1年目とか関係なく試合に出続けられたのは大きかった」と言い、「監督、スタッフ、コーチ、先輩含めいろいろなサポートをしてくれた。次は自分がチームを引っ張っていかないといけない立場になると思うので、来シーズンに向けて頑張っていきたい」と意欲を見せた。
7月に川崎フロンターレ(以下、川崎)から完全移籍加入した塚川選手は、9月の横浜F・マリノス戦では0-2で折り返した後半に2得点を挙げ引き分けに持ち込むなど貢献した。移籍後の12試合は全試合出場を果たしたが、「シーズンの半分だが、コンスタントに試合に出るシーズンは初めてだった。(川崎に在籍した)2年間苦しんでいた分、今年、少し結果に表れた部分は僕自身良い意識になった。FC東京という素晴らしいチームに来られたことで、もっと進化していかないといけない、このチームと知に成長していきたいと思えた。今シーズンは僕にとって人生の転機だったと言って良いくらい」と充実したシーズンとなった。
今季最終戦の相手は古巣・川崎だったが2-3で惜敗した。「思い入れのあるクラブだったので気持ちが入りすぎて空回りした部分はあるが、チャンピオンチームを倒すのが今後にもつながると思った。勝てなくて悔しい思いが一番」と話す。川崎が優勝の可能性が残っていたこともあり「(自分たちの)ホームでシャーレを掲げられるのはすごく嫌で、それだけは阻止したかった」とも。
長谷健渋谷区長らは「お疲れさまでした」とねぎらい、「東京にあるチームとしてブイブイ言わせてほしいし、子どもたちの希望というか、(プロなどを)目指している人もいると思うし、まだ若いので頑張ってほしい」と期待を込めた。
FC東京からは長友佑都選手が、今月から始まる「FIFAワールドカップカタール2022」に臨む日本代表(SAMURAI BLUE)に選出されているほか、松木選手がサポートとしてカタールに向かう。「日本を代表していくので、責任を持って頑張ってきたい」と力を込めた。「影で努力するタイプ(笑い)」と言う塚川選手は約2カ月のオフに入るが、「いっぱい遊んでいっぱい休んで、来シーズンに向けてリフレッシュしたい」と言い、「強くなって帰ってきたい」という来季は「50メートルを6.5秒くらいで走れるよう、足が速くなりたい」と冗談めかして笑いを誘った。