ハロウィーンが明けた渋谷では11月1日早朝から、渋谷駅周辺の路上でごみ拾いをするボランティアたちの姿が見られた。
渋谷区が実行委員会と共催する「ごみゼロ大作戦」は、今年は週末を含む4日間実施。ハロウィーン翌日を迎えたこの日も多くのボランティアが参加し、4時から8時まで、路上や生け垣などに捨てられたごみを拾って回った。
ボランティアの事前登録者は4日間で計300人。当日申し出た参加者を加えると、倍の約600人以上が参加したという。軍手は用意した2000人分がなくなった。参加者はハロウィーン翌日となるこの日が最も多く、中には仮装姿の人も。手渡されたごみ袋と貸し出し用のトングを手に、ごみを集めていった。ごみはアルコールの瓶や缶、吸い殻が多かった。
江東区から参加した大学生の2人組(共に21)は、昨日の渋谷のハロウィーンには参加せず、この日の始発でやって来た。「普段から渋谷にはたまに遊びに来る。ハロウィーンには興味がないが、ごみ拾いは、一度は経験としてやってみたいと思った」と参加の動機を話し、「路地裏に入ったら酒の瓶がたくさん並んでいた」と感想を漏らした。「掃除している人がけっこういて、ごみは思っていたよりは少なかった」とも。
ボランティアの中には、「学校に行く前に来た」と言う都内の高校1年生の女性3人組もいた。「吸い殻やペットボトルも多く、ハロウィーンが終わった後のごみの多さを改めて知った」と、ごみ拾いを終えて実感した様子。「今日は事前に調べて、ボランティアを見つけて参加した。楽しかった」と笑顔も見せた。
7時ごろから参加したという渋谷区内の会社に勤める女性会社員3人は「思ったよりもごみがなくてびっくりした」と話し、「みんな協力し合ってごみ拾いしているんだなと思った」と、多くのボランティアによる早朝からのごみ拾いで街がきれいになっていることに驚いていた。「最近、会社でも清掃活動にも力を入れていて、こうした活動にも力を入れていきたいと思っていた。ごみは花壇とか生け垣のところに多く、少しは罪悪感があるのかなと思った」とも推察していた。
渋谷区環境政策部の青木正樹・環境整備課長は「3年ぶりで人出やごみの出る量が予想できなかったが、今日は多くの方にボランティアに参加してもらい、いつも以上にきれいな渋谷になったと思う」と、ごみ拾いの成果に触れ、「昨年のごみは異常に少なく、(今年は)おととしよりも減っている印象。路上飲酒の禁止、酒類の販売自粛に起因するものかもしれない」と、2019年に区が施行した条例などの効果も指摘した。
「近年ここまで多くのボランティアが入ったことはない。清掃ボランティアが特殊なものではなくて、気軽に、個人でも参加できるようになってきた」と、ここ数年のボランティアの動きについても触れ、「遊びに来ている以上、飲む人は多く、売るのを自粛しても持ち込みはどうにもできない。空き缶空き瓶もまだまだ多いので、どうにかしなければいけない」と今後の課題も見据える。