
ハロウィーン当日を迎えた10月31日、長谷部健渋谷区長が「渋谷への来街を控えることも検討して」とコメントを発表した。
例年、イベントが開催されていないにもかかわらず、仮装をした多くの人が渋谷に集まっている渋谷。器物破損や暴行、ゴミの大量放置など一部の来街者らによる犯罪・迷惑行為、暴走車両などが社会問題にもなっていた。
今年は、3年ぶりに外国人の個人旅行が再開されたことや外出制限が無いなかでハロウィーンを迎えたこともあり、その動向に注目が集まっていた。そうしたなか、韓国ソウル市内の繁華街・梨泰院の狭い路地で同29日夜に群衆が折り重なり犠牲者が出たことを受け、長谷部区長が緊急コメントを出した。
長谷部区長は事故への「お悔やみを申し上げる」とし、渋谷区内でも「同様の事故が起こることを危惧」。飲食や映画、ライブなど目的地のある来街者には「通常通り渋谷を楽しんでいただきたい」としつつ、仮装姿での練り歩きや撮影などを目的とした来街者には「騒がない、立ち止まらないなどのルールを守っていただくこと」を前提に、「来街を控えることもご検討いただくよう改めてお願い致します」(以上、原文ママ)とコメントした。以前に比べて仮装をする人の来街が「減少傾向にある」なか、仮装を見に来る「野次馬」目的での来街も控えるよう、呼びかけている。
区では路上など公共の場で来街者が滞留することや、路上飲酒に伴い騒ぐ人などを懸念し、2019年6月にハロウィーン期間などに限り、路上での飲酒などを禁じる条例を施行。条例にのっとり、今月28日から路上での飲酒を禁止し、併せて周辺のコンビニエンスストア、小売り店などでの酒類の販売自粛も呼びかけている。加えて、民間の警備会社や区の職員のパトロールなどで路上飲酒・喫煙・販売・客引きなどの行為を指導するなど対策を取っている。
渋谷パルコは仮装者の入店を禁止する貼り紙を掲出しているほか、西武渋谷店(一部を除く)や渋谷ロフトが2時間前倒して19時に閉店するなど、渋谷駅周辺の施設も独自に対策を取っている。