バレーボール・Vリーグ男子1部の東京グレートベアーズ(以下、東京GB)が10月29日・30日、東京体育館(渋谷区千駄ヶ谷1)でホーム開幕戦を迎えた。
ネイチャーラボ(広尾1)がFC東京バレーボールチームを譲受し、チーム名などを一新し今季新たなスタートを切った東京GB。クラブを運営するグレートベアーズ(同)が本社を構えていることもあり、渋谷区をホームタウンの一つとして位置付けている。
開幕戦では、同社久保田健司社長があいさつしたほか、29日には俳優の斎藤工さん、30日には小池百合子東京都知事が始球式を実施。2日目には、チームのテーマソングを手がけた東京スカパラダイスオーケストラも応援に駆け付けたほか、ハーフタイムには「THE SUPER FRUIT」「世が世なら!!!」がミニライブを行うなど盛り上げた。
渋谷区内の小中学生も招待するなどして、2日で7720人(初日4012人、2日目3708人)が来場。来場客には応援ハリセンが配布され、DJやアリーナMCの先導に合わせて手拍子をするなど選手たちを後押しした。
対戦相手は昨季準優勝したウルフドッグス名古屋(以下、WD名古屋)。初戦は第1セット序盤から連続得点を許し終始追う展開となり0-3とストレート負けを喫した。第3セットにはサーブで緩急をつけ、ボールをつなぐ場面も増えたが、サーブミスもありリズムに乗れなかった。
第2セット途中から出場した戸嵜嵩大選手は病のためバレーを離れていた中学生時代に同体育館で全日本バレーボール高校選手権(春高バレー)を見ていた。「自分がバレーを続けるきっかけになった体育館だったので、この観客の皆さんの前でプレーしたい思いは強かった」。スパイクも決めたが、「楽しむ姿を届けたい、盛り上げたり流れを変えたりすることが役割」と積極的に仲間たちに声をかける姿を見せた。
「歴史的なスタートを切れたが、臨む結果では無く厳しいかたちになった」なか、「今日どういう姿であるべきかを話して臨んだ」(古賀太一郎選手)2戦目は、第1セットを先取されるも競った展開を見せる。第2セットは、特に守備面を期待しスタート起用された星野秀知選手がWD名古屋のスパイクを拾ったりブロックしたり好守を見せつつ、自らも得点を決めるなどチームを引っ張る。現役中国代表の張秉龍(ジャン・ビンロン)選手がアタックを連続で決めたほか、手原紳選手が片手トスでつないたボールをラファエル・アラウージョ選手が沈めるなどして25-21で今季初めてセットを奪った。第3セットを取られ迎えた第4セット。序盤でビハインドを負うも柳町逸太(はやた)選手のサービスエースや武藤鉄也選手の速攻などで追い上げるが、終盤に離され22-25でセットを落とし試合終了。セットカウント1-3で敗れた。
敗れはしたが、粘り強い戦いを見せた東京GB。初戦の敗戦を「大きな薬となった」と話した真保綱一郎監督は、「良いバレーをしてこそ成長がある。得るものが無いと次に進まない。勝ち星を挙げられる力もあるので、毎週課題を解決して強いチームを作っていきたい」と力を込めた。
柳町選手は会場の広さなどに初戦は「萎縮した場面があった」と言うが、「せっかくこんな良い会場でバレーができていてもったいないと思ったので、結構楽しめた」と笑顔を見せ、「肩の力を抜いて固くならないようにプレーした結果、サーブとスパイクが安定したんじゃないかな」と振り返った。
開幕戦に8000人近くが来場したことに、感謝の言葉を口にした監督や選手たち。「すごく良い雰囲気でプレーしやすくて、燃えた」と言う星野選手は、光やスモークで「スイッチが入った」と演出面も高評価した。
試合後には、選手一人ひとりが考えた案を組み合わせてつくった「グレベアポーズ」も披露。勝利時のパフォーマンスとなるが、開幕戦ということもありこの日お披露目した。