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渋谷区立笹塚小で40年前のタイムカプセル開封 100人集合、昔話に花

掘り起こされたタイムカプセル

掘り起こされたタイムカプセル

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 渋谷区立笹塚小学校(渋谷区笹塚2)で10月15日、40年前に当時の同校児童が埋めたタイムカプセルが掘り起こされた。

掘り起こされ土がかぶったタイムカプセル

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 タイムカプセルは、同校創立60周年を記念して小学校の敷地内の一角に1981(昭和56)年度に埋められたもの。100周年を迎える40年後に掘り起こそうと、当時在校していた1年~6年の全児童約1200人が、未来の自分に向けてのメッセージを添えた手紙や当時の駄菓子のおまけなどをタイムカプセルに入れたという。

 「約束通り」カプセルを掘り起こすことになった当日、作業のために集まったのは80人以上。最終的には、当時1年~6年だった47歳~53歳の約100人が集まった。13時に作業を始め、各自がスコップなどを使い掘り進めた。計画通り、14時ごろには無事カプセルが掘り起こされた。

 カプセルからは、小学生から大人になった自分に向けた便せんのような紙や「40年後の自分」に向けた手紙をはじめ、手形、当時の担任からの手紙、寄せ書きなどのほか、当時のお金や使っていた教科書、体操着、校帽などが取り出された。教科書や体操着などはビニールにくるんだ状態でタイムカプセルに入れてあり、少しぬれていたもののがあったものの状態は良かった。

 掘り起こし作業に参加した卒業生の一人で、アーティスト活動などを行う吉岡直哉さんは「驚くことに、大日本印刷製のタイムカプセル専用の保存袋に入っていた手紙や写真類などは本当に当時のまま。40年前の空気を感じるほどだった」と振り返る。教科書は湿っていたが、「表紙は見えたので『こんな教科書使っていたよね』と同級生たちと盛り上がった」と言う。 

 タイムカプセルを埋めた時は5年生だったという吉岡さん。5年生は、皆の声を録音したカセットテープもカプセルに入れた。取り出したテープを聞いてみたところ、「デッキに入れると聞くことができたが、すぐに聞き取れなくなった。そのまま止めて、今業者に頼んでいるところ」と、データ化されたCDを心待ちにしているという。この日集まった中には、当時の担任だった90歳の教諭の姿も。カプセル内には当時の在校生たちの遠足時の写真などもあり、思い出話に花が咲いた。

 自身がカプセルに入れた手紙について、吉岡さんは「『40年後の僕はお金持ちになって幸せですか? もしかして、貧乏でホームレス?』と書いてあった。どちらも実際に経験したことで、5年生ながらよく自分の未来を言えたなと思った。こんな気持ちで書いていたなということも思い出して、うるうるしてきた」と話す。

 「今回、5年2組だけで20人近く集まった。『この組の結束力、固いよね』と話したり、当時の話を思い出して盛り上がった。掘り起こし作業の後は居酒屋に移動したり、LINEグループを作ったりして、いまだに話が尽きない」と、かつての級友たちとの再会を喜ぶ。「カプセルを埋めた時は、ノストラダムスの大予言がはやっていた。40年後には地球がなくなっているのではないかという悲観的なことを書いている人も多かった」(吉岡さん)というエピソードも。 

 参加した卒業生の中には「看護師さんやっていますか?」と40年前に書き、実際に医療従事者になり、予想が見事に的中した人もいたという。当日欠席した人の手紙は、開封せずに保管してあるという。

 タイムカプセルは今回開封したものが同校唯一のもので、今後新たにカプセルを埋める計画はない。

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