Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が10月23日、青山学院記念館(渋谷区渋谷4)で島根スサノオマジック(以下、島根)と戦い、延長の末102-95で勝利した。
25得点11リバウンド7アシスタントを記録したジェームズ・マイケル・マカドゥ選手
連戦の2戦目となったこの日。「同じチームに連敗は許されない」(伊佐勉ヘッドコーチ(HC))ことに加え、この日は昨季まで在籍したで広瀬健太さんの引退セレモニーを予定していたこともあり、「勝ちたいという思いはみんな持っていたと思う」(石井講祐選手)試合となった。
試合前にセレモニーについて触れたという伊佐HCは、広瀬さんの背番号24にちなみ、島根の攻撃を制限時間の24秒守りきることを目標の一つ掲げたなか、試合の立ち上がりでその場面が訪れた。序盤はロースコアとなるが、3連続得点で一歩前に出る。ミスからの失点もありリズムを掴みきれないが、ジェームズ・マイケル・マカドゥ選手がリバウンドやアシストなどゴール下で強さを見せるなどして、27-23とリードを奪う。
ガード陣ら日本人選手の「プレッシャーがあまりにもひどくて」(伊佐HC)スクリーンを使った攻撃からの失点が目立った第2Qには追う展開となる。3ポイント(P)シュートの精度も欠いたが、「打った瞬間に短いと思った」と自らリバウンドに飛び込み、ゴール下に飛び込んだ津屋一球選手の得点につなげた石井選手は、「誰かしら居てくれるかなと思ったら、津屋が良い所に居てくれたので『ありがとう』と言っておいた」と言う。
42-47で迎えた後半。序盤で一時2桁点差をつけられるも、石井選手、ベンドラメ礼生選手の好守などで失点を抑えつつ得点を重ね、点差を詰めることに成功した。その前には伊佐HCが審判への抗議でテクニカルファウルを受けたが、石井選手は「たぶんわざと。僕らは(熱くなることなく)逆に集中していこうと一つになれた」とその意図を解釈した。第3クオーター(Q)後半には再びリードを許す場面もあったが、田渡修人選手の3P、津屋選手のレイアップなどで得点を重ね70-69で最終Qに突入した。
拮抗(きっこう)した展開が続くなか、マカドゥ選手がファウル4つとかさみ一時ベンチに下がると再びビハインドを負う。それでもマカドゥ選手はコートに戻ると、体を張ったりパスをカットしたり好守を見せた。終盤は石井選手とマカドゥ選手のスクリーンを使ったプレーを中心に得点を重ねたが、「第3Qまでは自分にボールが回ってくる前にオフェンスが終わることも多かった」石井選手は、「礼生と話して、できるだけ僕が最初にボールもらえるようなコールをやってもらったのが効果的に効いたので押し続けた」と言う。伊佐HCも「特にマックが良いスクリーンからダイブ(ゴール下への飛び込みを)しているから見てあげよう」と伝えていた。
89-89で突入した延長戦。立ち上がりに連続で得点し一歩前に出たSR渋谷だったが、中盤で1点差まで詰め寄られる。それでもこの日2回目となる24秒バイオレーションを奪うなど3分弱島根の得点を抑え102対95で勝利した。
「プライドを感じた」と選手を称えた伊佐HC。終盤に島根の選手の疲労を感じ「外のシュートを選択させて、リバウンドを取り切れた」点を勝因に挙げた。「外国籍選手は抜かれたくないので自然に下がる。その効果を利用して」ケビン・ジョーンズ選手をマッチアップさせるなど前日と守備を変えたこともあり、抑えようと取り組んだ島根のペリン・ビュフォード選手のドライブ(ドリブルでのゴール下に侵入するプレー)からのアシストを減らしたことも「大きなこと」と触れた。
戦術もあるが「最後は気持ちというか。我慢して着いていってオフェンスの攻めるところを共有してプレーできたのが大きかった」と話した石井選手は、随所で流れを変えるプレーを見せた。「今年は点を取るなどアグレッシブな所にこだわってやろうとしている。結果的に流れを持ってくることにつながったのは良かった」と喜んだ。
次節は今月26日にアウェーで富山グラウジーズと戦う。