Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が10月9日、青山学院記念館(渋谷区渋谷4)で秋田ノーザンハピネッツ(以下、秋田)と戦った。
伊佐勉ヘッドコーチ(HC)が「5分で(試合が)決まった」と振り返った立ち上がり。攻撃で「判断が良くなかった。自滅」とターンオーバーがかさみ一時2桁のビハインドを負うが、途中出場した選手たちが秋田の攻撃を守り切る好守もあり「崩れることなく」(伊佐HC)18-23で第1クオーター(Q)を終えた。
今季は、伊佐HCとしても初の試みとして、これまでの4試合は全試合スタートで出場する選手を変えているが、「朝の時点で言うようにしている。緊張もあるかもしれないが準備はしていると思う」と、その影響はないと考える。「後々は固定するかもしれないが、本当にスタートは誰でも良い。トーンをセットするという意味ではとても大事な役割なので、皆が経験することで当事者意識を持ってくれたら」と期待を込める。
第2Qは、ゴール下周辺で強いジェームズ・マイケル・マカドゥ選手が得点を重ねる。同Q後半、外国籍選手相手に体を張った守備を見せた日本人ビッグマンの井上宗一郎選手は、「インサイド付近は自分の仕事だと持っているので、できることはやれたかな」と振り返る。攻撃では、井上選手と西野曜選手それぞれが、秋田がマークマンを変える守備をするなか、身長差を生かした攻撃を試みるも得点につなげることができなかった点を反省点として挙げた。
後半序盤はベンドラメ礼生選手が連続でボールを奪ったほか、津屋一球(かずま)選手がボールへの執着心を見せたりシューターをしつこくマークしたり好守を見せた。攻撃では「思い切りやって来い、点を取って来い」と送り出された西野選手が「追いかける展開だったし、出たら思い切りやろうとうのは決めていた」と、交代直後に3Pを沈めたほか「あんまり考えずに」空いていたゴール下に積極的に飛び込み得点を挙げるなど、同Q約3分30秒の出場でシュート4本を100%の確率で沈め9点をマークした。
最終Qは点の取り合いとなり、88-95で敗れた。残り1分を切り4点差に詰め寄るなど背中を捉えかける場面が幾度とあったが、伊佐HCは「選手は100%指示通りやってくれた。僕が流れを持ってこられなかった」と自責し、「2・3本ビッグショットを決めた」と秋田のシュート力を称えた。ディフェンスのコミュニケーションミスやスピードある秋田の攻撃に後れを取った場面にも触れつつ、「この時期にこれだけのディフェンスを秋田にできるのは、ネガティブな感じはない」とも。
「全体的に遂行力は高かったのでチームとしては良かった。でも勝ち切れなかったのは、これから長いシーズン戦ううえで改善しなくてはいけない。それはすぐ直せるものでもなくて、皆で共通意識を持って徐々に改善していく必要があるかな」と振り返った西野選手。自身は後半だけで13得点を挙げるなど躍動したが、前半の出場時間が約1分30秒にとどまった原因を「他の選択肢があったんじゃないか。何を求められているのかを考えて、個人ではなくチームでの時間を大切にすることが出場時間を延ばすのに必要なことなのかな」と考察した。
次節は今月15日・16日、千葉ジェッツとアウェーで戦う。