Bリーグ・アルバルク東京(以下、A東京)が10月7日、国立代々木競技場第一体育館(渋谷区神南2)で今季のホーム開幕戦を迎えた。
渋谷区をホームタウンに、2016-17シーズンに同競技場第二体育館をホームアリーナに活用していたことから、6季ぶりに渋谷に「戻ってきた」A東京。クラブを運営するトヨタアルバルク東京の林邦彦社長は、第一体育館はBリーグ初年度の開幕戦を戦った会場であることから「プロスポーツクラブとしてスタートを切った原点」と位置付け、「6シーズン積み上げた迫力ある選手たちのプレーと、エンターテインメント性豊かな演出をもって6年前の意義を超えて価値をご提供したい」とあいさつした。
試合前には、渋谷区と協働で社会課題解決を図る包括連携協定「シブヤ・ソーシャル・アクション・パートナー協定」を締結したことを発表。その取り組みの一環として、区内の福祉作業所で働く障がい者が描いた文字や模様をフォント素材化した「シブヤフォント」とコラボレーションしたミニトートバッグ(1,210円、100個限定)を発売した。
千葉ジェッツ(以下、千葉)を迎えたこの日は、キャプテンでエースでもある田中大貴選手の得点で先制。「たまたま(ボールが)自分の所に来ただけ」と言うが、「最初から積極的にやりたいと思っていたし、それがチームに伝わって、ペースを作る意味でも点数が取れたのは良かった」と振り返る。「ディフェンスでしっかり入れた」(田中選手)と言うように、第1クオーター(Q)の失点を12点に抑える堅守を見せ14点のリードを奪う。
第1Q途中から出場したセバスチャン・サイズ選手は、昨季「リバウンド王」を獲得した実力を遺憾なく発揮。前半だけでリバウンド10本取り、得点も10点を越えダブル・ダブルを達成した。44-31とリードを保って迎えた後半序盤には、小酒部泰暉選手のバスケットボールカウント(得点に加えフリースロー)、アレックス・カーク選手のリバウンドのボールを直接リングに叩き込むプットバックダンクで一時、最大18点のリードを奪う。千葉が3ポイントシュートを確率高く決めたほか、最終Q序盤に得点が停滞すると一時10点差まで詰め寄られるが、流れを渡すこと無くリードを保ったまま試合を進め78-66で勝利を収めた。
「出だしのエナジーが非常に大事と話した結果、第1Qで主導権を握る結果となった」と振り返ったデイニアス・アドマイティスヘッドコーチ。田中選手は、前節「試合の入りも、オフェンスの流れも良くない試合をしてしまい」敗れた反省から、「強い試合の入りをしないといけない、やるべきことを遂行しようよという意識の変化が大きかったのかな」とその要因を分析する。
「ここをホームアリーナに良いスタートを切るためには絶対に勝ちが必要だった」と勝利を喜んだ田中選手。チケットが完売し、クラブ主管の試合としてはリーグ最多となる8919人が来場したが、「これだけのお客さんの前でプレーできる、こんなにありがたいことはない」と感謝の言葉を口にしつつ、「レギュラーシーズンのただの1試合かもしれないが、個人的にも高まるものがあった。めちゃくちゃ楽しかった」と笑顔を見せた。13得点アシスト7本などを記録したジャスティン・コブス選手は、「(コロナ禍で)約3年、満員のお客さんの中でプレーできていなかったので、エキサイティングだった。感謝を届けられるようパフォーマンスでチームの勝利につなげたい」話した。
両チームは10月8日も同所で戦う。