「クマ」から商品を受け取れるテイクアウトのカフェ「ANAKUMA CAFE 原宿店」(渋谷区神宮前1、TEL 03-6447-0720)が10月5日、原宿駅近くにオープンした。経営はOXSV(富ヶ谷1)。
焼き肉店「令和ホルモン」、フルーツ大福店「金沢フルーツ大福 凜々堂」を立ち上げてきた同社社長の鈴木智哉さんが新たに手がける同店は、中国のSNSをリサーチしているなかで見つけた「熊爪珈琲(コーヒー)」を参考にした新業態。店内に開いた「穴」から「クマ」の手が出てきて商品を提供することから、「ANAKUMA」と命名した。限られたスペースから商品を提供する手法は、かつてイタリアでワイン販売に使われていた「ワインの窓」でも知られる。
今後フランチャイズ展開を見据えていることもあり、1号店の出店地は情報発信やブランディングの意味も込めて原宿を選び、その中でも緑が周囲にある同所を選んだ。店舗面積は、キッチンスペースを含め約8坪。店舗は森林を想起させる緑色に仕上げ、クマのイラストや置物などを装飾している。
同店は、クマの「ぼるす」が鈴木さんの協力を得て出店したという位置付け。ぼるすは、森林破壊によって住んでいた森を離れ人間社会に来たクマで、「森林を守るために人間を知る、仲良くなることを目的に同カフェを出店した」という設定。同店の売り上げの一部は、環境保全に取り組む団体に寄付する予定。
同店では、ぼるすの思いに賛同した双子の「ふー」「るー」、クマと人間のハーフの「でぃあ」など、クマ7匹が「働いている」。どのクマが商品を提供するかはランダムとなっているが、バラやシールなどを手渡したりじゃんけんをしたり、来店客とコミュニケーションも取る。
オープン時のメニューは、スイーツ2種類とドリンクを用意。スイーツは、ローストナッツクランチキャラメルチョコ・オールドファッショングレーズ・クリンクル黄な粉など、霊峰白山の伏流水で仕込み作るドーナツ(6個セット、1,890円)と、フォンダンショコラやレモン、抹茶などの味を展開する一般的なものより一回り大きいというカヌレ(6個セット、3,390円)。ドリンク(1,200円~、スイーツとセットで590円)は、フェアトレードの豆を使うカフェラテなどのコーヒー、クマの好物として知られる蜂蜜を使うレモンティー、バナナ・蜂蜜・ミルクなどで作るフラペチーノ「はちみつバナナミルクKUMAペチーノ」などをラインアップする。
同社はSNSやコミュニティーの力を使って店舗の運営をしている。SNSではぼるすとメッセージのやり取りができるほか、インスタグラムではぼるすが料理している動画を公開。オンライン料理教室などのイベントも行いながら、コミュニティーをつくっていく考え。
今後は「ANAKUMA」ブランドで、バーやバーベキュー、調剤薬局など他業態の店舗やグッズ化といったIPビジネスとして広げていく構想。
鈴木さんは「元気のない人たちが多いと思うので、来てもらってほっこりしてもらい、頑張る活力になりたい。SNSとも連動しているので、いつでもどこでもクマたちとコミュニケーションを取ってもらいたい」と話す。
営業時間は11時~19時(売り切れ次第終了)。