渋谷駅の東口地下広場を舞台にした、音楽家・渋谷慶一郎さんの映像作品「BORDERLINE by Keiichiro Shibuya feat.Alter3 and Stephanie Poetri」が10月4日、渋谷さんの公式ユーチューブで公開された。
一般社団法人渋谷駅前エリアマネジメントと、エイベックス・エンタテインメントが新たに始める「渋谷文化プロジェクト」の一環で制作された作品。同プロジェクトでは、渋谷の街なかや公共空間を活用し、音楽だけでなくアートやファッションなど幅広い文化企画を展開している。
同プロジェクトの第1弾作品は、「日本を代表する」アーティストで「建築にも深い知見がある」、渋谷区出身の渋谷さんに制作をオファー。同広場でミュージックビデオ(MV)となる映像作品を撮影することを前提に制作された「BORDERLINE(ボーダーライン)」は、地下を意味。渋谷さんが作曲を、作詞はAI(人工知能)が、それぞれ担当。AIは、「渋谷」「地下」「ボーダーライン」など渋谷の街からイメージするキーワードから作り上げた。AIの作詞家名も、「AIの作詞家に名前をつけるとしたら何がいいと思うか」という問いをAIに投げかけ戻ってきた回答から、ゼロや暗号などを意味する「Cypher(サイファー)」と名付けた。今後も、作詞やテクスト生成などでAIとコラボレーションしていくという。
歌うのは、機械が露出したむき出しの体や性別や年齢を感じさせない顔が特徴のアンドロイドの「オルタ3」、シンガー・ソングライターのStephanie Poetri(ステファニー・ポエトリー)さん。前半はオルタ3のソロ、後半はポエトリーさんがリードボーカルを務めるオルタ3とのデュオで構成する。
東口地下広場で撮影した楽曲のMVには、渋谷さん、オルタ3に加えてバレエダンサーやモデルとして活動する飯島望未さんも出演し、振付家でダンサーの小尻健太さんによる振り付けのダンスを披露している。
飯島さんやポエトリーさんが、オルタ3とコラボレーションすることで、人間と機械、終わりと始まり、有機性と無機性といった境界や差異が「もはや機能しない、新しい時代を生きていること」を示唆する仕上がりとなったという。