恵比寿ガーデンプレイス（渋谷区恵比寿4）に11月8日に開業する商業エリア「センタープラザ」に3 ブランドを関東最大の売り場面積で展開するゴールドウイン（松涛 2）が9月22日、出店戦略説明会と併せてパネルディスカッションを開いた。

オープン時に特設する予定の大型遊具（イメージ）

　出店するのは「PLAY EARTH KIDS（プレイアースキッズ）」「THE NORTH FACE（ザ・ノース・フェイス）」「NEUTRALWORKS.（ニュートラルワークス.）」の 3 ブランド。パネルディスカッションには、渡辺貴生社長をはじめ、サッポロ不動産開発の中島信一郎取締役、長谷部健渋谷区長、青山学院大学・国際マネジメント研究科の宮副謙司教授が登壇した。

　初のキッズ編集店舗となる新業態の「プレイアースキッズ」については、「ものを売るだけでなく、ここでしか体験できないことを提供したい」と力を込め、同フロア内に出店するホームセンター「DCM」の体験型新業態店「DCM DIY place」と手を組み、オープンを記念し大型のオリジナル遊具を期間限定で特設する構想なども明かした。

　新たな商業エリアの開発に当たり、渡辺社長に「街を変えたい」と相談を持ちかけたというサッポロ不動産開発の中島取締役。札幌市内に1993（平成5）年に開業した複合商業施設「サッポロファクトリー」にオープン時からゴールドウインが店を構えていることについて、「増床を重ねて今では350坪の大きな店になった。素晴らしい世界観」と評価。札幌での成功事例を踏まえ、「札幌時代から共創していた。リードしてくれるパートナー」と期待を寄せた。

　長谷部区長は「恵比寿では30年前に大きな開発があり、その前はバッティングセンターとラーメン屋さんがあった街だった。ここがガーデンプレイスになって、チェーンではなく、野心のある人たちも出店してきた。家賃が高く30～40代の背伸びしたい人たちなども集まり、その世代がアクティブにいる街はなかなかない。街の『へそ』として、いろいろな人の興味やコミュニティー、新しい文化が生まれるステージに来たと思う」と街の変遷に触れつつ、新たなまちづくりに期待を込めた。

　恵比寿の街に関心のある同大生5人から恵比寿についての意見を聞いたという宮副教授。「（恵比寿は）大人のイメージで、学生が行くイメージがない」「社会人が飲むイメージ。飲むときに来る」「（恵比寿には）若者受けする個々のものがそろっていない」などの素直な意見を映像で紹介。一方、実際に街を利用している近隣住民や子育て世代のインタビュー映像では、「週に最低2回は来る。雑多な空気がなく、緑があって散歩コースが気持ちいい。雨の日でも遊べる施設がある」「治安がいいし、親しみやすい。ガーデンプレイスはほぼ毎日来るし、安全な場所」「テラスや席がたくさんあっていい。リーズナブルな飲食店もある」など好意的な意見が多く聞かれた。

　宮副教授は「食や、アート・クラフト・ものづくり、スポーツと健康、エコロジーなど、知的で健康的で自分らしいスタイルを実現しているのが（米オレゴン州の）ポートランド。恵比寿にも、そうした動きがあるのでは。SOHOで若いスタートアップの会社も多く、ガーデンプレイスでは外の空気や水と緑を感じながら仕事ができる。『ここで仕事したい』と学生たちが思う街になっていくのでは」と展望を話した。