サッカー・Jリーグ「FC東京」が渋谷区のスポーツ振興に貢献するスポーツチームや団体、人などを認定する「PLAY渋谷区」に認定され、9月26日に認定式が行われた。
産官学民連携で区のスポーツ推進に努めている区が昨年5月から展開している同制度は、渋谷区を拠点に活動するスポーツチームや区のスポーツ振興の方針に賛同する企業、団体と、スポーツ分野で「著しい功績」を残した区にゆかりのある人を認定。認定者と区が相互協力し、区のPRとスポーツ振興を図っている。
現在、女子7人制ラグビー「東京山九フェニックス」、3x3「TOKYO DIME」、ボウリング場「笹塚ボウル」(京王興産)、プロボウラー井口遼太選手、5人制バスケットボール「サンロッカーズ渋谷」「アルバルク東京」、プロ野球「東京ヤクルトスワロウズ」(ヤクルト球団)、東急スポーツシステム、eスポーツ高等学院など17のチーム・社・人などが認定を受けている。サッカー関連では、社会人サッカークラブSHIBUYA CITY FCに次ぐ2クラブ目となる。
東京都をホームタウンと位置付けるFC東京。23区内での認知向上を図っているなかで、クラブと「比較的なじみ深い」京王沿線のターミナル駅の一つである渋谷を重視。かねて笹塚や幡ヶ谷などのエリアを中心に街路灯にフラッグを掲出し、街のイベントに参加しているほか、スポンサー関係者と区内のゴミ拾いなどを行ってきた。
コロナ禍でホームタウン活動が積極的にできない時期もあったが、「地域の活動やイベントがやっと少しずつ動き出して(街に)出ていくことが増えてきた」と、クラブを運営する運営する東京フットボールクラブ(調布市)の大金直樹会長。昨年はクラブコミュニケーターの石川直宏さんが部活動支援で中学生を指導。今年は区の4種(12歳未満の児童)トレセンサッカースクール事業に同クラブの普及部コーチを派遣したほか、森重真人選手と安田虎士朗選手がオンラインで西原小学校を訪問した。
かねてコミュニケーションを取ってきた両者だが、渋谷にオフィスを構えるミクシィグループ傘下に加わった初年度ということも重なり、区から認定を受けたことで「改めて握手をした」形となった。渋谷区は、一般社団法人渋谷ユナイテッドを通して、学校の働き方改革や部活動の地域移行に対応するため区立中学校部活動の支援事業を始めている。同社は小中学生など向けのスクールも運営していることもあり、川岸滋也社長は「協力がより進んでいくのではと期待している」と話す。
「思わず身体を動かしたくなる街へ。」を掲げ、区自体を「15キロ平方メートル(=区の面積)の運動場」に見立てて、さまざまな世代の人たちがスポーツに関わり「思わず体を動かしたくなる街」を目指している渋谷区。長谷部健渋谷区長は「さまざまなステークホルダーとタッグを組みながら、場所を工夫しながら機会をつくっていくことを進めている。土地も限られているので、ミニサッカーをする人たちなどが地域の景色になれば」と期待を込める。同時に、「やるだけでなく見て応援することもスポーツ。トップ選手は、ある意味スーパーマン。スターたちのプレーを見ることは元気をもらうと思うので、仲間として応援していきたい」とエールを送る。
川岸社長は、渋谷を「東京の一つの象徴的な場所」と位置付け、「FC東京の活動を認めていただきこれからも一緒に活動を続けていくことを改めて非常にうれしく感じる」と、今回の認定を喜ぶ。区民にスタジアムでの観戦を呼びかけると同時に、「スポーツをすることも重要なので、私たちができることを、今まで以上にやっていきたい」と意欲を見せる。
認定期間は2023年5月まで。