渋谷・桜丘エリア約2.6ヘクタールを一体的に整備する大規模再開発「渋谷駅桜丘口地区第一種市街地再開発事業」の全棟が9月23日、上棟した。
100年に一度と言われる渋谷駅周辺の大規模再開発の一つで、東急不動産や地権者らが参画する「渋谷駅桜丘口地区市街地再開発組合」が進める同事業。渋谷駅南西部に広がる敷地に、A街区(地上39階・地下4階、延床面積約18万4700平方メートル、高さ約179メートル)、B街区(地上30階・地下1階、延床面積約6万9100平方メートル、高さ約127メートル)C街区(地上4階、延床面積約820平方メートル、高さ約16メートル)の3棟で構成。
用途は、A街区=事務所・店舗・駐車場など、B街区=住宅・事務所・店舗・サービスアパートメント・駐車場など、C街区=教会など。C棟のみ2020年5月に運用が始まっている。オフィスや商業施設、住宅に加え、国際競争力の強化に資するグローバル対応のサービスアパートメント、国際医療施設、子育て支援施設なども導入することで、多様な世代が住み、訪れる、「活力のあるまち」を目指す。
青果店や楽器店、小料理店など小規模な老舗も立ち並んでいた同エリア。街区再編や老朽化した小規模建築物の共同化で防災性の向上を図るとともに、災害時の情報発信などによる安全安心な地区も形成する。備蓄倉庫の設置や一時滞在可能な空間を確保するなど帰宅困難者対策を講じ、災害に強いまちづくりを推進。広場の整備をはじめとするヒートアイランド対策として、地上や屋上、壁面などを活用した緑化を推進し、太陽光発電など自然エネルギーなどを利用することで、環境負荷低減にも取り組んでいる。
併せて、地区玄関口のランドマークとして、駅と街、地下と地上を簡便に結ぶ歩行者動線を整備する。JR山手線線路沿いのA街区とB・C街区の間には新たに「補助第18号線」(幅員約15メートル、全長約200メートル)を整備し、上空2カ所には歩行者デッキ(横断橋)を架け、丘陵地・桜丘と駅との高低差を解消。A街区は国土交通省が架け替えを進めている渋谷駅西口歩道橋から続くデッキ、渋谷ストリーム(渋谷区渋谷3)3階からJR線の頭上を東西方向に横断する自由通路も開通。駅からのアクセスや代官山・恵比寿方面との回遊性向上も見込む。
2019年1月に解体工事に着手し、同5月新築着工していた。完工は2023年11月を予定。