Bリーグ・アルバルク東京(A東京)が9月19日、ホームタウンの渋谷で2022-23シーズンの開幕に向けたイベントを開催した。
ファンクラブの「プラチナ会員」を招いたなか、キャプテンの田中大貴選手や新加入の藤永佳昭選手、新たに指揮を執るデイニアス・アドマイティスヘッドコーチ(HC)らが登場した。
今季は、次の段階(Next Phase)に向かうことや、ホームタウンである渋谷を中心に東京全体を騒がせる(Faze)ようなシーズンにするという意味を込めた「Next FAZE」をスローガンに掲げるA東京。
今季から国立代々木第一体育館(渋谷区神南2)をホームアリーナに戦うが、クラブを運営するトヨタアルバルク東京の林邦彦社長は、「世界の中でも最先端の発進拠点と言われている渋谷で、今季から試合ができるのは営業面でも非常に大きなこと」と考える。
区内ではかねて、同じく渋谷区をホームタウンとするサンロッカーズ渋谷と共同でフラッグを渋谷センター街のメインポールに掲出しているが、今季の開幕に合わせて10月3日~9日には京王井の頭線渋谷駅のホームにA東京のPRフラッグを掲出。ホーム開幕節の同月7日・8日(10時~18時ごろ)には同駅の窓口スタッフがA東京のTシャツを着て業務に当たる予定となっている。今後は、街中でチームのタペストリーや選手の写真が街の「至る所」で見られるなど「ホームタウン感を出せるように」取り組んでいく。
国立代々木第一体育館は、A東京らがリーグ初年度の開幕戦を戦った場所でもある。LEDコートなど当時のアリーナ演出はリーグが主管し行ったが、「それに匹敵するような光と音の演出」(林社長)を構想。選手の好みなどを反映した「選手グルメ」にも注力するほか、試合で排出されるCO2をカーボン・オフセットによって実質ゼロにする取り組みも行う。
チームは、5季指揮したルカ・パヴィチェヴィッチHCが「残してくれたものはすごく大きなもの」(伊藤大司ゼネラルマネジャー)であることから、積み上げてきたものに新しい要素を取り入れる考えで、全員はかなわなかったが10選手が継続した。新HCは、複数面談した中で、最初の面談時から選手に対する質問や戦い方に対するビジョンなどを持っていた点などに「ビビっときた」(伊藤さん)ことからアドマイティスHCにオファーを出した。
アドマイティスHCは、守備では対戦相手やシチュエーション合わせてマンツーマンやゾーン、プレスなど「バリエーションのある戦術」を組むほか、攻撃は速い展開やアドバンテージを生かした戦いを目指し、選手それぞれが臨機応変に対応するスタイル目指す。アドバンテージの一つになると考え招いたのが長身で得点能力のあるジャスティン・コブス選手となる。
「速いバスケットが合っていると思った」と言う藤永選手は、以前のチームでも優勝を経験しているが「もう一度あの景色を見たい」と移籍を決めた。定評のある守備は「チームがどんな時でもやっていきたい」と力を込め、攻撃面では「ターンオーバーをせずにつなぐのはもちろん、シュートが当たっている選手や、(対戦相手の)ディフェンスの弱い所を把握できるようにしたい」と続けた。
田中選手は、昨季はチャンピオンシップの試合もけがで選手を欠いていたことなどに触れ「どれだけ全員が健康で過ごせるか、一人一人が充分気を使って取り組んでいきたい」と話し、「昨年の悔しさを晴らせるようにキャプテンとして引っ張っていけたら。自分達と一緒に戦ってください」とファンに呼び掛けた。
イベントでは、ティックトッカーの景井ひなさんを招き今季注力する「TickTok」撮影なども実施。新ユニホームのお披露目では、景井さんに加え田中選手と藤永選手がファッションショーのようにランウェーを歩き、ポージングを決め笑いを誘った。田中選手は「景井さんがやっていたのを見てまねしようかなと。ちゃんと笑ってもらって良かったが、藤永のを見たら悲惨だった」と振り返った。