幡ヶ谷エリアのレコードショップ「ELLA RECORDS幡ヶ谷店」（渋谷区西原1、TEL 03-6407-0013）が8月5日、無料で本を貸し出すサービス「ELLA BOOK SHELF」を始めた。

広い窓や木目が特徴の店舗

　CARASCO（同）が手がける同店は、2015（平成27）年に世田谷で始動し、翌2016（平成28）年に現在の場所に移転。窓を大きく取ったファサードに木を基調とした店舗では、ロックやジャズ、ソウルなどのジャンルを「満遍なく」ラインアップ。遠方から足を運ぶ目的客もいるが、小学生なども含め地域の人を中心に来店があるという。

　同サービスは、同社社長の葛原繁喜さんと、ブックディレクター幅允孝さんが知人を介して出会い、それぞれが読書・音楽に親しんでいたこともあり「意気投合した」ことをきっかけに立ち上げた。本とレコードには、「アナログである」ことなど「共通点がある」という。

　「ELLA BOOK SHELF」では、月ごとのテーマに合わせて幅さんがセレクトする書籍（20冊）を蔵書していく。今月は「We’ve Got JAZZ」をテーマに、ジャズピアニストのキース・ジャレットさんの「キース・ジャレット―音楽のすべてを語る」、ジャズ喫茶「DIG」「DUG」のオーナーでカメラマンの中平穂積さんの「JAZZ GIANTS 1961-2013」、ジャズの楽曲を題材にした筒井康隆さんの「ジャズ小説」、女性写真家アニー・リーボヴィッツさんによるミュージシャンポートレート「American Music: Photographs」、1965（昭和40）年～1983(昭和58)年の「ユニークな」デザインのジャズレコードをまとめた「Freedom, Rhythm ＆ Sound:Revolutionary Jazz Original Cover Art 1965-83」、ダンス文化やショー文化をひもとき現代の「ポップ」誕生を記した「日本ジャズの誕生」、ジャズピアニストでもある山下洋輔さんのエッセー集「ジャズ武芸帳」など、26冊をラインアップした。

　1度に借りられる書籍は1人2冊まで。貸出期間は5日間。利用無料（貸し出しカードに氏名や連絡先などの必要事項を記入）。

　近年のレコード人気の再燃もあり、若年層の来店も増えたというが、「気兼ねなく入っていただけるような仕かけが欲しかった」と言うストアマネジャーの小椋賢さん。「レコードショップは入りづらいというイメージもあると思うが、本を借りに来るだけでも大丈夫なので世代や性別を問わず幅広いお客さまに利用いただきたい」と話す。

　営業時間は13時～20時。月曜定休。