パラリンピックの正式種目であるスポーツ「ボッチャ」のコートが8月1日、渋谷区役所本庁舎15階多目的スペースに常設された。
ヨーロッパで生まれたボッチャは、投げたり転がしたり他のボールに当てたりしながら、赤・青のボールをジャックボールと呼ばれる白いボールに近付ける競技。昨夏の東京パラリンピックでは日本代表が金・銅のメダルを獲得している。
本来は重度脳性麻痺者もしくは同程度の四肢重度機能障がい者のために考案されたスポーツだが、障がいの有無や年齢、性別などを問わずに「誰もが手軽に楽しめる」競技として、渋谷区では東京オリンピック・パラリンピックの開催が決まったことを機に普及活動を開始。一般社団法人日本ボッチャ協会と協定を結び、区内のイベントでの体験会や「渋谷カップ」を開催するなどしている。
これまでは常設のコートがなく「どこで(プレー)できるのか」などの問い合わせもあっても、体育館を借りてプレーする案内などにとどまっていた。体験ニーズの高まっていることや、さらなる普及・推進を図るため常設で設置した。
フロア内には、従来の競技と同じ縦15メートル×横6メートルのフルコート(スローイングラインは1メートル短縮)と、「渋谷カップ」で導入している同8.25メートル×同4メートルの「SHIBUYAコート」のスポーツコート2面を用意。コート面に傷が付く可能性があるためヒールなどでの利用は控えるよう呼びかけている。
ボッチャに「慣れ親しんでもらう」ため、1人から利用可能で人数に制限は設けていない。スタッフは常駐していないが、利用者にはルールをまとめた用紙を配布している。
設置1週間程度で20組以上の利用があり、リピーターもいるという。利用者の比率的には健常者の方が多いというが、障がい者と健常者のグループで利用するケースもあるという。
利用可能時間は9時~17時まで(1組最大2時間まで)。利用無料。予約優先(状況によって当日利用も可能)。ボールなど道具は無料で貸し出す。土曜・日曜・祝日含む閉庁日は利用不可。