明治神宮・原宿口にある第一鳥居(南参道鳥居)が創建以来となる建て替えを終え、7月4日、新たな鳥居がお披露目された。
第一鳥居は明治神宮が創建された1920(大正9)年11月1日に造立。鳥居の中でも笠木(かさぎ)が反り返った形状の「明神鳥居」で、大きさは木造の明神鳥居としては日本最大。建て替えでは形状や大きさをそのままに、材木を台湾ヒノキから全て国産の杉へと変え、約2メートルある土に埋まっている部分の木には、腐食防止のため銅の覆いをかぶせ補強した。
材木は台湾からの輸入が厳しくなっていることから国産のものにし、柱に吉野材(奈良、東側は樹齢280年、西側は樹齢260年)、笠木に宇都宮材(栃木)・吉野材(奈良)・足羽材(福井)、島木(しまぎ)に美杉材(三重)・足羽材(福井)、貫(ぬき)に足羽材(福井)を、それぞれ使った。大きさは従来と変わらず、高さ=11メートル、笠木=15.6メートル、島木=14メートル、貫=13.3メートル、芯々(両柱の中心と中心の間)=8.2メートル、柱の直径=1.06メートル。
明治神宮の鎮座百年祭記念事業の一環として行われた第一鳥居の建て替えは、2014(平成26)年12月、使われる木材を最初に切り出す御杣始祭(みそまはじめさい)を皮切りに、2017(平成29)年4月に山形・酒田で工事の安全を祈願する釿始祭(ちょうなはじめさい)を行い、今年1月の建替工事起工清祓(せいばつ)式後に着工した。その後旧鳥居の解体が始まり、用材修祓式・建替工事建方始清祓式を4月に行った。
新型コロナウィルスの影響で予定が遅れたなか、この日披露された新しい鳥居には、以前と同じく菊の紋が前と後ろに3つずつ付く。これらは従来のものを外して、箔(はく)を貼り直して再利用したという。
工事関係者ら40人が参加して始まった儀式は「修祓(しゅばつ)」から「降神の儀(こうじんのぎ)」「祝詞奏上(のりとそうじょう)」と進み、「清祓の儀」では、斎主を含む3人が入り口から見て右側の柱の内側と外側、次に左側の柱の外側、内側、最後に正面手前でおはらいを行った。続く「くぐり初め」では、完成した鳥居を参加者らが一列になり、くぐった。