渋谷マークシティ近く、渋谷中央街にある創業75年の老舗古書店「古書サンエー」(渋谷区道玄坂1)が6月30日で閉店する。
1947(昭和22)年、現在の渋谷フクラス(道玄坂1)のある場所に同店の前身である「山路書店」が創業。1971(昭和46)年、現店舗の場所に地下1階・地上5階建てのビルを建て、地下1階・1階に店舗を構える「古書サンエー」のほか、全フロアに古書店が入る「渋谷古書センター」が誕生。2008(平成20)年、美術やデザイン関係の専門書などを扱う地下の「美術フロア」を閉鎖し、現在は1階店舗と、アートブックや写真集、雑誌などを扱う2階のカフェ併設の古書店「Flying Books(フライングブックス)」のみ。他フロアは飲食店などのテナントが入居する。
閉店理由について、フライングブックス店主で3代目の山路和広さんは「年配のお客さまが多かったこともあり、長引いたコロナ禍の影響で売り上げが大幅に減少したことが大きい。渋谷の街に人が戻りつつあるが、客足は戻っていない」と、その厳しい胸中を明かす。
現在、同店ではかつて地下にあった「美術フロア」の在庫を含め、長年ストックしていた雑誌や書籍などを随時店頭に出し、特価で販売している。
山路さんは「75年のご愛顧、誠にありがとうございました。ネットが便利になって、知っている本は自宅に居ても手に入るようになったが、自分の知らない本との出合いの機会は減った。地元の本屋でもいいので、足を運び、新たな文化の発見してほしい」と呼びかける。
営業時間は11時~20時。日曜定休。2階のフライングブックスの営業は継続する。