スタンダップコメディーバー「TOKYO COMEDY BAR」(渋谷区道玄坂1、TEL 03-6277-5610)が5月、渋谷駅近くにオープンした。経営はStand-Up Tokyo(同)。
イギリス出身のスタンダップコメディアンであり脚本家や俳優などでも活動するベンジャミン・フォックスさんらが出店した同店。フォックスさんは2015(平成27)年、当時勤めていた会社の転勤で日本に来日。日本国外では趣味としてステージに立っていたが、日本では「あまりスタンダップコメディーの文化が広がっていなかった」こともあり、自身がパフォーマンスする場をつくるためにも、コミュニティー「Stand-Up Tokyo」を立ち上げた。
当初は月に1・2回のライブ運営を行っていたが2019年には週に4・5回のライブを開催するまでに成長。コロナ禍では活動を中止せざるを得なくなったが、少しずつ生活がコロナ前の状態へと戻りつつあるなか、スタンダップコメディーを日本で普及させるためには「拠点となる場が必要」と考え同店の出店を決めた。
「外国人たちから見ると渋谷は首都の首都、中心」と話すフォックスさん。渋谷に集まる店や生み出される文化など「多様性を尊重する」渋谷に、「海外では昔から楽しまれているお笑いの形であるスタンダップコメディーを持ってくるのは、私たち外国人からすると自然な流れだった」という。店舗面積は95平方メートル。収容人数は50人。アメリカやイギリスによくあるコメディークラブの雰囲気を体験できるよう、ステージの背景はレンガ調にしている。
出演者はプロ・アマ、国籍、性別など問わず公募。週末のショーはプロとして活動しているコメディアンが中心に出演するが、週3回(月曜・木曜は英語、火は日本語)は誰でもステージに立てる「オープンマイクライブ」を開催し、新しいコメディアンの育成も図っている。今後は、海外で活動している日本人コメディアンたちも招致する。
バーではアメリカのクラフトビールやカクテル、ワイン、ソフトドリンクなどの飲み物を提供する。
ショーは英語がメインで、火曜のオープンマイクライブと、隔週の木曜が日本語でのショーとなる。日本語のスタンダップコメディーは「まだ広く知られていない」ことから、来場客の中心は東京周辺に住む外国人を想定するほか、今後「戻ってくる」外国人観光客も見据える。
「ステージに立つコメディアンたちもそうだが、コロナ禍で多くの人々が困難を強いられた今だからこそ、『笑う』ということが大切、必要だと感じている。笑いを通して、何か役に立てることはないか…そんな気持ちがこのタイミングでの開店につながっている気もしている」と言うフォックスさん。「コロナ禍ではいつも大変賑(にぎ)わいのある渋谷が閑散とし、寂しかったが、戻りつつある渋谷らしさをさらに盛り上げていく手伝いができたら」と話す。
営業時間は、月曜~水曜=17時~23時、木曜・金曜=17時~24時、土曜=15時~24時、日曜=15時~23時。曜日やショーにより異なる入場料は1,000円~3,000円。