「Sharing Design(シェアリングデザイン)」(渋谷区渋谷3)と東急(南平台町)は5月18日、渋谷駅周辺で初の取り組みとなる「5G基地局シェアリングサービス」の提供開始を発表した。
2021年2月に住友商事と東急が設立したシェアリングデザインは、複数の携帯通信事業者向けに基地局を共用する「基地局シェアリングサービス」を提供する事業会社。5Gは4Gと比べてカバーエリアが狭く、より多くの基地局を必要とするため、設備投資や維持管理費、都市部における用地不足などが課題とされているが、複数の携帯キャリアが相乗りできるデジタルインフラの共用化で、各携帯通信事業者のコスト負担が大幅に削減され、5G環境の整備・拡大の推進につながるという。
当初は昨年7月から本格的なサービス提供を予定していたが、コロナ感染拡大などによる影響から「世界的に半導体不足が起こり、当初計画よりもサービス開始が遅れた」と東急広報担当者。
渋谷駅周辺エリアで初となる今回の取り組みでは、渋谷駅A8階段上屋や渋谷マークシティ5階植栽部、しぶちかショッピングロードの天井部などにアンテナを設置し、「渋谷スクランブル交差点(地上)」「渋谷駅前ハチ公前広場(地上)」「渋谷マークシティ4階の一部(屋内)」「しぶちかショッピングロード(地下)」の4カ所を対象エリアとするSub6帯の5G電波環境を整備。利用を希望する各携帯キャリアと通信速度、他の基地局との電波干渉や基地間のスムーズな接続移行ができるかなどの技術検証を行いながら、順次、商用化を進めていく。
今後、渋谷駅周辺や東急各駅、商業施設などに設置するほか、「全国の自治体、鉄道会社、商業施設と協業し、全国各地に基地シェアリングサービスを展開していく」という。