Bリーグ・アルバルク東京(以下、A東京)の田中大貴選手が5月10日、週末に開幕するチャンピオンシップ(CS)に向け取材に対応した。
昨年10月に開幕した今季のBリーグは、今月8日にレギュラーシーズンの戦いを終えた。CSには全22チーム中、東西各地区上位3チームと、その他16チームのうち勝率の高い2チームの計8チームが進出し、トーナメント方式で年間チャンピオンを争う。
A東京はレギュラーシーズン53試合を39勝14敗で終え、東地区3位で2シーズンぶりにCS出場を決めたが、田中選手は「非常に楽しみにしている」と喜びを表現。今季は4選手が新たに加入したなか、練習や試合を積み重ねて「最後に良いチームになりたい」と取り組んで来たが、新型コロナの影響やけがもあり「全員そろって試合ができる状況があまりなく、積み上げの部分で難しかった」と言う。それでも、「個人的にはよく我慢してこの位置をキープできているのかな」とレギュラーシーズンを振り返った。
シーズン終盤はゴール下の番人であるアレックス・カーク選手や帰化選手のライアン・ロシター選手といった「チームにとって大事な選手」(田中選手)がけがで出場できていない。CSも「どういうメンバーで臨めるかはまだ自分たちも分からない部分がある」と言い、「彼らが出られないと相当厳しい戦いになると思うが、そうなったら、シーズン最後を戦ってきたメンバーで、今まで同様、自分たちの持てるものを全てぶつけるしかない」と力を込める。
2018-19シーズン以来のリーグ制覇を目指すA東京。田中選手は「ディフェンスの良いチームが優勝すると思っている」と見解を示し、「うちはディフェンスのチームなので、そこを崩さずに戦えればどのチームにも勝つチャンスがある」と考える。けが人がいるなか「普段とは違い自分たちが多くの点数を取るのは難しい部分があると思うので、ディフェンスでどれだけ抑えられるか。レギュラーシーズン最後の宇都宮戦でも皆で良いエナジーを出して試合をしたように、激しいディフェンスをできるように準備したい」とも。
初戦の対戦相手は、昨季のリーグMVPである金丸晃輔選手や東京オリンピックにも出場したオーストラリア代表のニック・ケイ選手らを迎え、レギュラーシーズン55試合を40勝15敗の西地区2位で勝ち上がった島根スサノオマジック(以下、島根)となる。
A東京と島根は昨年11月のリーグ開幕当初に戦ったが、その際は1勝1敗と勝ち星を分けた。田中選手は「能力の高い選手がいて、メインの選手が長い時間プレーをし、あまり崩れることなくレベルの高いバスケットをやっている」と島根の印象を話す。島根にはA東京で4季プレーし、今季移籍した安藤誓哉選手も属しているが、「キーとなる選手の一人。気持ちのぶつかり合いになると思うので、そこは今から楽しみ」と話しつつ、レギュラーシーズンの対戦で敗れた際には「気持ちよくプレーさせてしまった」ことから「止めることは必要」と注視する。
対する安藤選手は古巣との対戦を「楽しみだし燃えている。自分が本当にお世話になり、一緒に戦い抜いたチームとこういう場でやれることは本当に最高」と喜び、「安藤誓哉も成長したなと、そして、自分の持ち味であるエナジーあふれるプレーをファンの皆さんには期待してみてほしい」と意欲を見せた。
試合会場は島根のホーム松江市総合体育館。田中選手は「技術とかの前に気持ちの部分で引かないように。試合の入りが本当に大事になってくる」と気持ちを引き締め、安藤選手は自身がA東京に属していた際にワイルドカードからリーグ優勝を果たした時のことを「自分たちを信じ切って、ホームもアウェーも関係ないという勢いでやっていた」と振り返りつつ、「ファンの皆さんが会場を(チームカラーである)真っ青に埋めてくれている中で、その声援を全て力に変えてベストを尽くすしかない」とも。
2戦先勝方式で、試合日は5月14日・15日・16日を予定している。