Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が5月7日、千葉ジェッツ(同、千葉)と対戦し65-70で競り負けた。
立ち上がりにボールを奪うプレーから先制するなど好守が見られたが、「プレッシャーが掛けられていない状態で面白いようにボールが回っていた」(伊佐勉ヘッドコーチ(HC))と序盤からビハインドを負う。攻撃面ではチーム全体のシュート確率が上がらないなか、「アグレッシブに攻めてシュートを決めていこうと思っていた」ケビン・ジョーンズ選手が積極的にシュートを放ち第1クオーター(Q)で10得点を挙げた。
11-18と追う展開となった第2Q序盤もシュート確率に苦しみ、2桁リードを許すと伊佐HCはタイムアウトを要求。外角でボールが回っていたことから、「ペイント(ゴール下の制限区域)にボールを落とそう」と、以降はインサイドへのアタックから攻撃を組み立てていった。併せて外国籍選手2人と身長199センチの西野曜選手を一緒に使うラインアップを採用したが、「ディフェンスが良くなったのとリバウンドが取れていた」(伊佐HC)と千葉に5分強得点を許さず、32-30と逆転に成功した。
一進一退の攻防が続いた第3Q、ファウルで千葉にフリースローを許す場面が増えたが、「こういう緊迫した試合では、ミスがあっても次に切り替えないと命取りになる」と、プレーが止まった際には石井講祐選手がベンチから立ち上がってコート内の仲間に声を掛け鼓舞した。同Q終盤には、前半にアシストや好守を見せていた盛實海翔選手が3ポイントシュートやレイアップなど積極的にシュートを狙い得点を重ねた。
同点で迎えた最終Q。ディフェンスリバウンドを許す場面が増え少しずつ点差を広げられるが、強みのオフェンスリバウンドでつなぐプレーを見せたほかベンドラメ礼生選手がレイアップで得点を重ね付いていく。65-68で迎えた残り14.7秒から最後の攻撃を試みるも、スローインのボールをカットされミスでの幕切れとなった。伊佐HCは「どこで(ボールを)持たせようか迷った。デザインが悪すぎた、僕のミス」と自責。最後ボールを奪った千葉・佐藤卓磨選手は、スローインでパスを出す選手をマークしていた選手の爪にボールが当たっていたことを明かしつつ「(SR渋谷の)選手の特徴など細かく指示があった。皆の対策が生きた」と話した。
この日30得点と攻撃を引っ張ったジョーンズ選手だが、「仲間が信頼して良いポジションで良いパスをくれた。チームが作ってくれたチャンスだった」と振り返る。ボールを奪うプレーからの速攻も見せたが、「手をアクティブに動かすなどアグレッシブにプレーすることはディフェンスでも意識していた。一生懸命プレーすれば良いことが必ず起きると思っていたし、仲間も乗ってくると思った」と言う。課題であるディフェンスリバウンドについては「とても重要。(千葉の選手が)ジャンプをする前に僕らがコンタクトをしないと簡単に取られてしまう。明日は特に後半で取れるように意識したい」とも。
石井選手は古巣との対戦となっているが「相手どうこうより勝たなきゃいけないので、そこに集中している」と話し、「ベンチから出た選手が流れを持ってきてくれたので、誰が出ても集中力を切らさずに戦うことができればチャンスがある」と手応えをうかがわせた。自身の得点が伸び悩んだが「打っている感じは悪くなかったので、明日は決めていきたい」と力を込めた。
他会場の結果も影響するが、最後の試合となる8日の戦いで勝たなければチャンピオンシップ進出の可能性が無くなるSR渋谷。試合後のロッカーでベンドラメ選手や広瀬健太選手が「切り替えてもう一回チャレンジしよう」「今年一番のゲームをしよう」と話していたことを明かした石井選手は、「(シーズン)最後まで緊迫したゲームができるのはありがたい。良い意味で楽しんで、今日も出し切ったが全てを出し切って、今年やってきたサンロッカーズというのを表現したい」と話した。ジョーンズ選手も「必ず勝たないといけないが楽しみにしている」と続けた。