渋谷センター街のスウェーデン発家具チェーン「イケア」の都心型店舗「IKEA渋谷」(渋谷区宇田川町)に4月25日、法人・ビジネスオーナー向けプランニングスペース「IKEA for Business」が移転した。
「IKEA for Business」は、法人・自営業・個人事業主など向けに、オフィスや店舗などワークスペースのインテリアデザインなどを展開するサービス。2020年2月、国内初の拠点を道玄坂に出店していた同スペースでは、商品の販売はせず「美容室」「レストラン・カフェ」などさまざまな業態、働き方に合わせて同社の商品でコーディネートした空間を展示していた。特にオープン当初は、従来の「イケア」と同じと思い商品を求めて来店する人が多かったほか、ビジネス関連の来店者でもオフィス小物などを購入していきたいという要望もあったという。
同年11月にオープンした「イケア渋谷」は、「IKEA for Business」を構えてたこともあり椅子などのオフィス家具の取扱数を抑えていたという。1店舗で幅広い商品を見られる方が、利用者の「選択肢が広がるのでは」と、同サービスの拠点を同店に移設。個人用途・ビジネス用途を問わず利用者の垣根ない買い物ができる場所を目指す。
新設したインテリアデザインサービスエリアでは、「IKEA Familyメンバー」が対象となる個人向けのインテリアプランニングサービス(4,900円)と、ビジネスインテリアデザインサービス(9,900円、ビジネス向け会員「IKEA Business Network」メンバーは4,990円)の両サービスを提供するほか、セミナーなども開いていく。
併せて、本格的なキッチンの展示やワードローブ「パックス」、収納システム「ベストー」など組み合わせ家具のパーツ、ソファ生地をそろえるプランニングスタジオも、国内の都心型店舗では初めて設けた。オンラインなどで購入する人も増えるなか、購入を決める前に実物を見られるようにした。キッチンや収納家具のプランニングサービスのほか、リノベーションの相談、配送サービスなども受け付けるカウンターも設け、店頭に並んでいない商品も含め同ブランドの商品を検索できる端末も用意した。
売り場では、コロナ禍の影響でオフィスが「コミュニケーションの場」としても位置付けられるなど「あり方が変わった」ほか、自宅で仕事をする人も増えたことから、オフィス用家具とダイニングテーブルなど家庭用家具とミックスして展示。ルームセットは、エントランスカウンター・打ち合わせスペース・執務スペースで構成する不動産店舗をつくり、小規模な店舗やオフィスも想起できるようにした。
5階のほか、2階と6階もリニューアル。2階には、キャンドルやインテリアグリーン、フレグランスなど「季節ごとに買い替える人も多い」というホームデコレーションを5階から移設。展示品として使っていた商品などを割引で価格するサーキュラーショップも同フロアに移した。
6階は、都市部で暮らす人々のニーズに合うよう、一人暮らし、二人暮らし向けのリビングルーム、ベッドルーム、収納家具を中心に展示。コーディネートを見たいというニーズに合わせて、ソファやクッション、カーテン、ラグなどのテキスタイルも同フロアで扱う。このほかベッドサイド小物として鏡なども集積した。
併せて、世界の店舗の中でも唯一のオリジナルフォトブース「Fotobox」には、新しい背景画面やステッカーなども追加した。
同店の菊池武嗣副店長は「店舗だけでなくすべてのタッチポイントがそうだが、ニーズにフレキシブルに変化していく店でありたい。コロナを経た今、大きな変化を体験してよりニーズの変化の振れ幅が大きくなっていくことを考えると、ニーズに対して変えていくことが店のあり方なのでは」と話す。
営業時間は10時~21時。リニューアル記念として、リニューアルしたエリアなど店内を回って展示している「文字」を集める「ワードハント」や、セミナーなどを行っている(5月8日まで)。