Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が4月27日、横浜ビー・コルセアーズ(同、横浜)と対戦し86-65で快勝した。
ジョシュ・ハレルソン選手の3ポイント(P)シュート2本や、横浜のスローインのボールを奪い得点を挙げるなど開始約1分で8-0と好スタートを切ったSR渋谷だったが、ミスからの失点やスピードのある横浜・ 河村勇輝選手にアシスト8本を許すなど「やりたい放題やられてしまい」(伊佐勉ヘッドコーチ)25-20と点を取り合った。
第1クオーター(Q)を攻守共に「あまり良くなかった」と評価した伊佐HC。攻撃面では、「パスミスなどが無ければ、30点くらいのビッグクオーターが作れたと思うくらいシュートが良かった」と指摘した。
第2Q立ち上がりに3連続で3Pを許し1点差まで詰め寄られるが、ケビン・ジョーンズ選手の3Pや「個人的に一番点を取りやすい形」と言う西野曜選手のバックレイアップなどで得点を重ねると同時に4分近く横浜に得点を許さず2桁リードを奪いオフィシャルタイムアウトを迎えると、伊佐HCは手をたたいて選手達を迎えた。同Q後半には、渡辺竜之佑選手が積極的にインサイドヘアタックしたほか、残り7秒からの速攻では前線に走り得点を挙げた。
44-35で迎えた後半の立ち上がりは、ベンドラメ選手が身長のミスマッチを突いてゴール下で得点。ジョシュ・ハレルソン選手とジョーンズ選手の連携プレーからの得点も見られたが、オフェンスファウル含め序盤でファウルがかさむ。伊佐HCは「ペイント(ゴール下の制限区域)タッチをどんどんやっていこうというなかで、選手達がやるべきことを遂行してくれたので問題なかった」と言い、広瀬選手やハレルソン選手がドライブ(ドリブルでゴール下にアタックするプレー)を仕掛け続けるなどして、61-47と点差を広げた。最終Qは盛實海翔選手がファウルを受けながらシュートや得意の3P、フリースロー4本と9得点をマークしたほか、西野選手、渡辺選手の3Pもアシストした。
第2Q以降は、河村選手の「アシストを消すべく」(伊佐HC)横浜のスクリーンの裏を通るディフェンスにすると同時に、横浜のシューター陣にはスクリーンの前を通って簡単に打たせないディフェンスを行ったSR渋谷。第2Q以降は各Qの失点を20点未満に抑えたが、「それ以外の選手も我々が仕向けたシュートを打たせて、ほぼ入っていないんじゃないか」と伊佐HCの戦術がはまった形となった。さらに、河村選手が「ボールを受けるまでが大変だった」と感じたよう、SR渋谷の選手たちはボールを簡単に持たせないようにしつこくマークしていた。
5選手が2桁得点を挙げるなど各選手が活躍したこの日。伊佐HCも「特に礼生と講祐のプレータイムが伸びていて抑えないといけないとトレーナーと話していたので、全員良い仕事をしてくれた」と称えた。なかでも西野選手については横浜の外国籍選手であるレイトン・ハモンズ選手に「できる限り当て(マッチアップさせ)よう」と起用。「パーフェクトな仕事をしてくれた」と評価した。
西野選手は「マック(=ジェームズ・マイケル・マカドゥ選手)がけがをして、本来とは違うポジションをやると言われたが、徹底して3Pを消すというチームから求められていることを遂行した結果」と自身のプレーを振り返り、「(普段マークする)日本人の3番(スモールフォワード)やガードに比べて付きやすさはあった」と言う。
攻撃面では11得点と2桁得点を挙げたが、「フリースローでの得点もあるので。正直、個人技で取りたいのはあるが、無理せずに自分のタイミングが来ればという感じで慌てずに。何よりターンーバーをしないことが大事」と話した。第3Q終盤、攻撃時間が少ないタイミングにスローインからの攻撃でフリースローもらった場面については、「空くだろうという所に飛び込んで、どんな形でもリングに当てようと思っていた。(ディフェンスが)手を出してくれたので引っ掛けて、結果的にうまくいった」とも。
この日秋田ノーザンハピネッツが敗れたこともありSR渋谷は東地区5位に上がり、チャンピオンシップ進出に一歩近付いた。残り試合は5試合。「もう勝つしかないので、とりあえず目の前の試合に全力で集中していこうとチームで言っている」(西野選手)
次節は今月30日・5月1日に青山学院記念館(渋谷区渋谷4)にレバンガ北海道を迎える。