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気候変動対策を 気候時計「クライメートクロック」、渋谷駅前に設置

渋谷駅前の「SHIBU HACHI BOX」内に設置された小型のクライメートクロック

渋谷駅前の「SHIBU HACHI BOX」内に設置された小型のクライメートクロック

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 世界の平均気温上昇を産業革命以前から「1.5度」に抑えるために残された時間を刻む「Climate Clock(クライメートクロック)=気候時計」が4月15日、渋谷・ハチ公前広場の「SHIBU HACHI BOX」内の観光案内所に設置された。

若者で構成する「気候変動アクティビスト」集団「a(n)action」のメンバーたち

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 クライメートクロックは、気候変動問題の深刻化が叫ばれるなか昨年9月に米ニューヨークで初めて設置されたもので、地球の平均気温が1.5度以上に上がる二酸化炭素が排出されるまでの時間をカウントダウンするデジタル時計。

 観光案内所に設置されたクライメートクロックは、18歳~21歳の7人を中心に構成する「気候変動アクティビスト」集団「a(n)action(アナクション)」と、SEAMES(目黒区)が設置した日本版。インターナショナルのソースを活用し、炭素予算(気温上昇を一定レベルに抑える場合に想定される温室効果ガスの累積排出量の上限値))と現在の排出量から科学者が算出した時間を表示。残された時間は気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の発表に合わせ変動する。

 アナクションのメンバーと同世代へのアプローチを図り、「若者文化の発信地、カルチャーが生まれる場所」である渋谷での設置を進める。当初は大きいサイズを考えていたが、渋谷駅周辺は広告が多いため視認性が低くなると判断し、小型(15センチ×40センチ程度)と中型(50センチ×1500センチ)のクロックを製作した。デザインは、街なかで「異物感」があるようにパネルや基盤をむき出しにした。

 タッチポイントを増やすため、小型クロックは1年以内など「早いスピードで」区内100カ所に設置を目指す。今月中をめどに渋谷区役所内に設置を予定しているほか、文化施設や商業施設のレストルーム、エレベーター、商店のレジなどを検討している。

 クロックでにはホームページにつながるQRコードも表示。アクセスした先では「政府による気候変動対策の加速を求める宣言」に1タップで参加できる仕組みを用意し、宣言が1万回を突破するごとに、アナクションのメンバーが環境省に通知し、さらなるアクション喚起を要請する。

 設置に向け両者は昨年12月~今年1月にクラウドファンディングで支援を募っていた。目標金額は1,000万円に対し、1546人から1,353万6,000円が集まっていた。

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