ラッツ&スター、尾崎豊などのアーティストを送り出し日本の音楽シーンをけん引してきた「伝説」のライブハウス「原宿RUIDO(ルイード)」(渋谷区神宮前1)が今夏、復活する。運営会社のアズミックス(道玄坂1)が4月1日、発表した。
1972(昭和47)年、「新宿ルイード」としてオープンしたルイードは、後にメジャーで活躍することになるミュージシャンやロックバンドなどのサクセスストーリーの中心地として最先端の音楽を発信。1987(昭和62)年1月には、惜しまれつつも創業の地・新宿の地での営業を終了。1989(平成元)年12月、新天地・原宿で復活を果たした。
竹下通り脇の洒脱(しゃだつ)なファッションビルの1階・地階の2フロアにわたりロビーやバー、ステージを配した新たな拠点は、「イカ天」「ホコ天」などの追い風も受け、バンドブームを象徴する新たな流行発信地に。2002(平成14)年には大規模な改装を行い、都内を中心に系列店の出店も続けるなか、2007(平成19)3月、入居するビルの契約満了に伴い原宿から撤退していた。
その後、発祥の地・新宿に「新宿ルイードK4」を開くなど、その歴史を受け継いできたルイード業態は、コロナ禍により2020年に「池袋RUIDO K3」と新宿店が、翌2021年には渋谷・桜丘町の「渋谷ルイードK2」が相次いで閉店に追い込まれ、都内から「消滅」。かつて原宿店が営業していたビル跡地にできた新たなビルの地階に2020年4月に開いたライブハウス「原宿RENON(レノン)」をリニューアルする形で今夏、「原宿ルイード」を復活させる。
同社の落合壽年社長は「1972年に新宿でルイードが創業してから今年で50周年を迎える」と思い入れを語り、「これまで地下1階の1フロアだった原宿の店を、1階部分を増床し2フロアとなることで、かつての原宿ルイードと同じようなフロア構成が実現できる」と期待を込める。ドリンクコーナーを備えたロビーなどを1階に移すことで、ライブホールの収容人数も300人まで増やし、規模も「あの時のイメージとほぼ同じ」になると言う。
オープンは7月1日を予定。