渋谷・ファイヤー通りの壁面に3月30日、災害時に帰宅困難者を「一時退避場所」に誘導する新たな「矢印サイン」のアート作品が完成した。
渋谷区の商店会連合会や渋谷駅周辺帰宅困難者対策協議会、観光協会などで構成する実行委員会が渋谷区と共催する「シブヤ・アロープロジェクト」の一環。2017(平成29)年に始まった同プロジェクトは、外国人を含めた来街者に、災害時に渋谷区の一時避難場所(青山学院大学、代々木公園)の位置を知らせることが目的。
作品は、発災時だけでなく日頃から人々の注目を集めるような「アート性あふれる」デザインであると同時に、一時避難場所の方向を示す「矢印サイン」を取り入れることで安全な場所への誘導の支援を図っている。これまで、渋谷キャスト(渋谷区渋谷2)前や、神南郵便局前交差点と宮下公園交差点をつなぐJR線線路の高架下など5カ所に設置してきた。
今回アートを描いたのは、東京都水道局代々木増圧ポンプ場前に位置する、JR線線路と歩道を隔てる壁面全長約30メートル。水色をベースにテーブルや椅子などの家具、グリーンの植物などを描いた。
4日掛けて作品を描いたHugo Yoshikawaさんは「社会的に意義があり、見た人にひとときでも楽しんでいただけるパブリックアートを作りたい」と同プロジェクトに参加。作品には「街なかでも緑を感じて明るい気持ちになってほしい」と思いを込めた。