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ヒカリエデッキに淺井祐介さん「壁面アート」 10日かけて手描きペイント

作品の前に立つアーティスト・淺井裕介さん

作品の前に立つアーティスト・淺井裕介さん

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 歩行者デッキ「渋谷ヒカリエ ヒカリエデッキ」で4月1日、壁面アートプロジェクト第2弾作品として、アーティスト・淺井裕介さんが手描きでペイントしたアート作品「野生を運び出せ」の一般公開が始まった。

淺井裕介さん作品「野生を運び出せ」全体

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 渋谷ヒカリエ(渋谷区渋谷2)の北側3階、4階に面し、東京メトロ銀座線線路直上に位置する「ヒカリエデッキ」は全長約190メートルの歩行者デッキ。渋谷駅周辺の再開発計画では、将来的に渋谷駅の東西を空中で横断する歩行者動線「スカイウェイ(仮称)」の一部となる予定。渋谷ヒカリエでは同デッキが「生活文化の情報発信・活動拠点」「まちに開かれた憩いの場」となることを目指し、昨年10月からさまざまなアーティスト作品を公開する「壁面アートプロジェクト」を展開している。

 第2弾となる今回は、さまざまな素材を使ったドローイングや巨大壁画、泥絵などの作品を数多く手掛けるアーティスト・淺井裕介さんが担当。高さ約3メートル×横約10メートルの作品は、インクジェットで出力したブラックシートを壁面に貼り、その上から少量の土を混ぜたアクリル絵の具で手描きしている。淺井さん、アシスタントを含めて計5人で約10日間の制作時間をかけて仕上げた。

 作品について、淺井さんは「渋谷はもともと川があるなど、人の流れの渦がどこからか流れてきて、どこかへと流れていく場所。このデッキも通路で、今後(再開発で)変わっていく場所でもあるので、流れのある絵にしたいと思った」とし、「作品中央にいるのは、手足がなく自分の意志では自由に動けない一番大きな生き物。みこしのように担がれ、どこへ連れて行かれるか分からないが、その生き物には不安や先行きを案じる顔は一切見えない。牙、複数の目を持ち、むしろ威張っているような雰囲気さえも感じる。どこへ連れて行かれても平気だよ、そこで根を張って大きく育っていくよ、という落ち着きや安定感のある生命力をイメージしながら描き上げた」という。作品中の生き物たちは、今後再開発で大きく変わっていく渋谷駅を進行方向に進んでいるが、大きな壁面作品の後方、植栽の辺りには一匹だけ逆方向に進む生き物が隠れているなど、遊び心に富んだペイントも見られる。

 「面相筆(めんそうふで)という穂先の細かい筆で細部も描いているので、大きな絵の中に小さな絵がいっぱいある。例えば、携帯で撮影して一部を切り抜いてもらっても楽しいと思う。これから季節も良くなり、光の当たり方で見え方も変わってくる。夜のライトアップでも変わるので、いろんな時間に来て眺めてもらえれば」(淺井さん)と呼び掛ける。

 掲出期間は10月末ごろまで。

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