渋谷・桜丘エリアの大規模再開発「渋谷駅桜丘口地区第一種市街地再開発事業」の工事現場で、ファッションブランド「RYUNOSUKEOKAZAKI」がコレクションショーを行った。
渋谷駅周辺の大型商業施設が参加し開催していたファッションとアートを発信するイベント「渋谷ファッションウイーク(以下、SFW)2022春」のハイライトで、フィナーレを飾る企画。
これまで同イベントでは渋谷の路上をランウエーにファッションショーを行ってきたが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い中止している。そのなかでも、駅周辺で進む再開発の工事現場や渋谷スクランブルスクエアといった普段はショーに使われない場所を舞台にショーを行っている。
2023年度に完工を予定している同所でショーを行った「RYUNOSUKEOKAZAKI」は、1995(平成7)年広島生まれのデザイナー岡﨑龍之祐さんが手掛けるブランド。昨年東京芸術大学大学院研究科デザイン科を首席で卒業。在学中から「人間と自然の調和」をテーマに作品を制作し、「コミテコルベールアワード2018」でグランプリを受賞するなどしている。昨年9月には「楽天 ファッション ウィーク東京」でコレクション「000」を発表した。
「001」と銘打った今回のコレクションは、23のドレスを発表。家族で度々訪ねたという厳島神社の鳥居、少年期に絵日記に描き続けた昆虫や葉脈の姿形などをインスピレーション源に、前回のコレクションから素材の探求やフォルムの再考を行い、岡崎さんが「直感的に志向する造形にまつわる美学」を表現。
生産が終了したテキスタイルの中から選んだ薄いカットソーやベロアのファブリックを、軽量チューブで「うねうね」にかたどるなどしたり、トレーンをあしらったりしたほか、新たに、ハードチュール素材を湾曲的にカットし、ロックミシンでトリミングすることで作り出した輪郭線の重なり、光の反射の具合でドレスの立体性を強調する試みも取り入れた。
ショーはSFWのユーチューブチャンネルで配信している。