映画「ドライブ・マイ・カー」がアカデミー賞国際長編映画賞を受賞したことを祝し4月2日から、渋谷のミニシアターなどで濱口竜介監督作品の特別上映が行われる。
アカデミー賞国際長編映画賞を受賞した「ドライブ・マイ・カー」
小説家・村上春樹さんの同名短編小説を基にした「ドライブ・マイ・カー」は、濱口監督が「作品にほれ込み」映画化を希望し、自ら脚本も手掛けた作品。「秘密を残したまま」妻が亡なった舞台俳優で演出家の男が、「ある過去」を持つ寡黙な専属ドライバーと過ごすなかで「人を愛する痛みと尊さ」「信じることの難しさと強さ」「生きることの苦しさと美しさ」に気付かされていく、喪失と希望を描いている。
アカデミー賞では、日本映画として初めて作品賞・脚色賞にノミネートされ、監督賞ノミネートは1986年の黑澤明監督(「乱」)以来となり、国際?編映画賞(旧称:外国語映画賞)の受賞は2009年の滝田洋二郎監督「おくりびと」以来となった。加えて、第74回カンヌ国際映画祭で日本映画初の脚本賞を含む4冠を受賞するなど世界の映画祭で90以上の賞を受賞するなど注目を集めている。
日本では昨年8月に115館で公開されたが、アカデミー賞4部門へのノミネート発表を受け今年2月13日には上映館が213館に拡大。同日までの動員数は33万3170人で、興行収入は4億5,469万5,030円に上っている。
今回、濱口監督の作品を上映したことがある渋谷のミニシアター「ユーロスペース」(渋谷区円山町)、「シアター・イメージフォーラム」(渋谷2)などが、「濱口竜介監督作品ミニシアター合同特別上映ウィーク」と題し特別上映を企画した。
上映するのは、ユーロスペース=男女5人が揺れ動く一夜を描いた群像劇で、濱口監督の初期の代表作「PASSION」(2008年)、シアター・イメージフォーラム=30代後半の女性たちを主人公に4人それぞれの家庭や仕事、人間関係や、「普通の」女性たちが抱える不安や悩みを描いた5時間を超える長尺の「ハッピーアワー」(2015年)。
上映期間は、ユーロスペース=4月2日~15日、シアター・イメージフォーラム=4月2日~8日。鑑賞料は、ユーロスペース=1,500円、シアター・イメージフォーラム=3,000円。加えて「ポレポレ東中野」では同2日・9日に「親密さ」を上映する。