Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が3月19日、シーホース三河(同、三河)と戦った。
ベンドラメ礼生選手の得点で先制するも連続で失点し、序盤から2桁のビハインドを負う。途中交代した盛實海翔(もりざね・かいと)選手がアシストや好守を見せるも、ミスが続き流れを掴みきれない。それでも、強みであるオフェンスリバウンドや3ポイント(P)シュートで食らい付き、17-25で第2クオーター(Q)を迎える。同Qはシュート確率が伸び悩んだことに加え、プレッシャーを掛けるSR渋谷のディフェンスを「利用され」(伊佐勉ヘッドコーチ(HC))ゴール下に飛び込まれるプレーが続いたほか、三河にオフェンスリバウンドでつながれる場面が増えるなど「悪循環」(同)となり31-50と点差を広げられる。
前半の攻撃について伊佐HCは、「(三河は)サイズがある分プレッシャーを掛けてこない。間合いが他のチームと違いいつでもシュートもパスもできるので、タイミングがズレてディフェンスにはまってしまった印象」と振り返った。広瀬健太選手は、「ゆっくりなペースに付き合ってしまった。良い意味で試合を壊していく部分が足りず、自分たちがきれいにやりすぎた」とも。
後半立ち上がりはジェームズ・マイケル・マカドゥ選手がインサイドで得点を重ねるも、三河の攻撃を抑えきれず点差を詰められない。中盤に得点が停滞すると伊佐HCは選手を交代。途中出場した石井講祐選手とケビン・ジョーンズ選手はダブルチームでボールを奪ったほか、石井選手はアシスト、ジョーンズ選手は100%の確率で決めた3P4本などでそれぞれチームを引っ張るも、点の取り合いとなり55-74で最終Qに突入する。
最終Qは序盤に、「アクティブに動ける西野(曜選手)を入れて、運動量を増やそう」と、外国籍選手を1人にする戦術を取った。同時にゾーンディフェンスを敷き、リバウンドを抑え積極的に速攻を仕掛け点差を詰めていったほか、ダブルチームも仕掛けていったが逆転には至らず、79-93で敗れた。
4連敗となったSR渋谷。チャンピンシップに向け「崖っぷちの状態にいる共通認識を持っている」と話した広瀬選手。「もう一度、自分たちの原点であるディフェンスと(個ではなくチームで戦う)『結』メンタリティーを全面に押し出していこうと試合に臨んだ。一回失った自分たちのスタイルを取り戻すのは一朝一夕でできることではないが、ベンチ含めてサンロッカーズのスタイルを40分間表現しようとする姿勢はあった」と前向きな言葉も聞かれた。
「(自分たちのスタイルを取り戻す)兆しを掴みに行っている」と言い、最終Qは「絶対に追い付かないといけない状況だったのでアグレッシブに行こう」とコートに入り、ボールを奪う好守、体勢を崩しながらのレイアップ、3Pなど同Qだけで11得点を挙げるなど、プレーでその思いを表したが、「あの時間帯・点差でやるのはちょっと遅かったかな。『今やってもな』というのはあった」と振り返り、この日はスターティングメンバーに起用されていたことから「スタートの時点でチームにエナジーに与えられたのでは」と悔やんだ。
この日は、今月15日に加入したジョーンズ選手が20得点を挙げたが、「対戦相手として嫌な、良い選手だったので一緒にプレーすることを楽しみにしていた。今日のパフォーマンスを見てさすがだと思った」と話し、「経験もスキルもあって人間的にも素晴らしいKJ(=ジョーンズ選手)が加入したことで、安定感と自信が増し、外国籍選手2人の負担が少しでも軽減できる分、より一層自分たちの高いインテンシティーが出せるのでは」と期待を込める。
両チームは20日も戦うが、広瀬選手は、「まずは1勝することで自信を取り戻せると思うので、死に物狂いで最初の1秒から全力で戦いたい」と意気込んだ。