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サッカー「SHIBUYA CITY FC」、新体制発表 昇格「最低目標」

昇格を「最低目標」に掲げた阿部翔平選手兼任監督(下段中央)や今季の新規加入選手ら

昇格を「最低目標」に掲げた阿部翔平選手兼任監督(下段中央)や今季の新規加入選手ら

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 渋谷区を拠点とするサッカークラブ「SHIBUYA CITY FC(渋谷シティFC)」が今季の新体制を発表し、昇格に向け決意を新たにした。

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 渋谷区からJリーグ参入を目指す同クラブは、昨年に引き続きJリーグ1部(J1)から数えて7部に当たる東京都社会人サッカーリーグ1部(都1部)に所属している。ユニホームは、渋谷駅前スクランブル交差点のデザインを取り入れたモノクロのホーム(ゴールキーパー以外の選手)、渋谷区の花・ハナショウブの色である紫を基調にするアウェー(同)、ターコイズブルー(ゴールキーパー)で戦う。

 関東2部リーグ昇格を目指すなか、サッカー元日本代表で指導者やサッカー解説者として活動する戸田和幸さんをテクニカルディレクター兼コーチに迎えたほか、現時点で10選手を新たに迎えた。クラブを運営するPLAY NEW(渋谷区渋谷2)の小泉翔社長は、仕事をしながらプレーする選手が多いため、平日午前中の練習に参加できない選手が多かった点を反省点と挙げたが、今季は選手がスポンサーや提携先の企業に属するなどして、より多くの選手が参加できるよう環境を整えた。

 監督は、同クラブ4年目となる元日本代表候補の阿部翔平選手が兼任で務める。「一つのプレー、一つのカウンターで失点し流れが悪くなった試合が多かった」と昨シーズンを振り返り、「防ぎ方、どう対応していくのかをはっきりしたいと思って取り組んでいる」と言う。加えて、「自分たちのボールにする時間を長くすることと、ゴール前の時間を増やして得点をつなげたい」とも。

 昇格を「最低目標」に掲げた阿部選手は、初の監督就任に「どう選手と関わっていくのか、チームの大きな方向性を皆でそろえることも大事で、そこを調整するのが難しい」と言う一方で、「一緒にプレーができて、その瞬間に直接教えられるのはとても良い」と選手兼任ならではの良さも挙げる。「運動量を多く走っていきたいので、自分が行動することで普通の監督には出せない説得力を出していけるのでは」話す。

 昨シーズンに引き続きキャプテンを務める宮崎泰右選手は、戸田さんの加入を「一番大きいと感じている」と言い、「戸田さんの言動に対してしっかり耳を傾けて、監督含めて目標に向かっていく、一日一日の練習を大事に前向きに取り組めている」と新チームの状況を明かした。

 新戦力は若手からベテランまで加入。ドイツのクラブから移籍したゴールキーパーの横倉嗣竜(しりゅう)選手は「守備のポジションと思われがちだが、僕から攻撃の1本目やアシストなどを見ていただけたら」と、ボランチ(ミッドフィルダー)の國廣周平選手は「攻撃では起点に、守備ではカウンターの芽を摘めるようなプレーで貢献したい」と、それぞれ意気込む。Jリーグで天皇杯優勝なども経験した田中裕介選手は、フロントスタッフとしてスポンサー営業や広報活動も行っている。

 大卒ルーキーは4選手。日本大学卒のボランチ・景山豪選手は「運動量を生かし、いかにあまり目立たずに活躍できるかを求めていきたい」、ゴールキーパーの前でプレーする「センターバック」の高知大学卒・渡邉大生選手は「キックとヘディングで後ろからチームを支えていきたい」と話す。青山学院大学でキャプテンを務めていた植松亮選手は大学リーグで昇格を経験し、「その時に青学全体が盛り上がってくれたので、(今度は)渋谷全体を巻き込みたい」と加入を決めた。「止める・蹴るという単純な基礎技術には絶対的な自信を持っていて、チームが目指すポゼッションサッカーは中学校時代から触れてきているので、その経験も生かしたい」とも。

 渋谷になじみのある選手はほかにも、アグレッシブさや「前に進む推進力のあるドリブル」を強みとする轟木雄基選手は学制時代に渋谷のクラブで遊んでいたほか、Jクラブでもプレーした経験を持つ菊岡拓朗選手は、妻が当時渋谷に住んでいたこともあり学生時代には松濤エリアなどに来ていたと言い、「右足のキックに自信を持っているので、ゴールに絡むプレーで貢献したい」と意気込む。ハンバーグステーキ店「ゴールドラッシュ」渋谷本店に「よく行っている」という河田陵選手は、体格の良さから戸田さんが命名した、スペインのサッカー選手アダマ・トラオレ選手に由来する「アダマ」と呼ばれている。

 都1部は今季20チームで構成。ファーストステージ(3月~7月)は、2ブロック各10チームで総当たり戦(9試合)を行い、各ブロック上位4チームはセカンドステージ(8月~9月または11月)でもう一方の上位4チームとそれぞれ対戦。1位~3位が、他の関東圏の県リーグ上位チームが参戦するトーナメント戦に出場し、決勝に進出した2チームが関東サッカーリーグ2部に昇格する。

 昨年1試合だった渋谷でのホームゲームは今季3試合に増やしたが、PLAY NEWの山内一樹会長は「渋谷の皆さんと共に戦って勝利をつかみ取りたい」と力を込めた。渋谷シティFCの初戦は3月27日。

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