17回目を迎えるファッションとアートを発信する「渋谷ファッションウイーク(以下SFW)」の開幕に先立ち3月9日、渋谷金王八幡宮(渋谷区渋谷3)で成功祈願が執り行われた。
2014(平成26)年3月に初開催して以降、春と秋の年に2回開催している同イベント。渋谷駅周辺の大型商業施設が参加し、「渋谷ならではの」カルチャーを発信してきた。今回は、都内複数エリアのファッション、アート、音楽などのイベントを一堂に集結するクリエーティブイベント「東京クリエイティブサロン」に参画し、「RE:RELATION」をコンセプトに展開する。
参加施設は、cocoti SHIBUYA、SHIBUYA109渋谷店、渋谷キャスト、渋谷スクランブルスクエア、渋谷ストリーム、渋谷パルコ、渋谷ヒカリエ、渋谷ヒカリエShinQs、渋谷マークシティ、西武渋谷店、東急百貨店本店、東急プラザ渋谷、MAGNET by SHIBUYA109、RAYARD MIYASHITA PARK、Bunkamura。
メインコンテンツである、街なかをランウェーに見立てるファッションショー「SHIBUYA RUNWAY」は、新型コロナウイルス感染症拡大防止を配慮し、今回もオンライン配信で行う。今回は、デザイナー岡崎龍之祐さんが手掛ける「RYUNOSUKEOKAZAKKI」が最新コレクションを発表予定。
渋谷ヒカリエや渋谷ストリーム、「COWORKING SALON SLOTH JINNAN」など20カ所には、都内を舞台に展開するデザインとアートのイベント「DESIGNART(デザイナート)」による分散回遊型イベント「FASHIONART(ファッショナート)」として、アートを展示する。
昨年再整備された渋谷区立北谷公園(神南1)では東京クリエイティブサロン連携企画として、渋谷に事務所を構える建築家・谷尻誠さんと吉田愛さん率いる「サポーズデザインオフィス」がインスタレーション「A_BOX Shibuya+Harajuku」を展開。岡山のデニムを中心としたハギレや残布、古着を再利用した「アップサイクルボード」を使い制作し、室内はフラワーアーティスト田中孝幸さんが演出する。同インスタレーションではフリーマーケットも開催予定。
施設連動企画として、RAYARD MIYASHITA PARKでは「サステナブルにファッションを楽しむ」カルチャーを発信するイベントを、渋谷ストリームでは施設前の渋谷川沿いなどでマーケットやワークショップなどを展開する「SHIBUYA SLOW STREAM」を、それぞれ開催。渋谷キャストではデザイナーズマーケットや、デジタルアート展を予定。複合文化施設であるBunkamuraでは、東京オリンピック開会式で国歌斉唱したMISHIAさんがドレスを着用した「TOMO KOIZUMI」のコレクションを展示する。
期間中東急田園都市線・東横線車内には、各施設に出店するブランドの最新アイテムをブランドミックスした「リアルクローズ」ファッションのポスターを掲出する。同ポスターや、音楽ユニット「水曜日のカンパネラ」詩羽(うたは)さんを起用したキービジュアルは、渋谷に事務所を構えるアートディレクター千原徹也さん(れもんらいふ)が担当する。
開催が迫るなか、期間中にまん延防止等重点措置が解除される見込みもあり「前のめりに発信できるのでは」と期待を込める大西賢治実行委員長。コロナ禍ではオンラインを中心に展開してきたが、今回はリアルでのコンテンツも増えることから「リアルで見てもらうのが楽しみ。(渋谷に)来て、(回遊型アートなど)いろいろな所を注意深く見てほしい」と言い、「渋谷に行くタイミングを失っていたかも知れないが、SFWをきっかけに新しい所を見てもらいながら、ファッションやアートなどを発信していけたら」と意気込む。
SFW2022春は今月15日~31日(コンテンツにより異なる)。