渋谷・東の老舗銭湯「改良湯」(渋谷区東2)が2月18日、対流式のロウリュサウナを新設しリニューアルオープンした。
ロウリュに刷新した男湯サウナ(スマイルマークのサウナストーンも)
明治通りから少し入った場所で1916(大正5)年に創業した同湯は2018(平成30)年12月、浴室や脱衣所をはじめ、外観も刷新するなどし、大規模にリニューアル。ロゴも改め、ペインティングユニットによる銭湯壁画や間接照明、高級ドライヤーなどの導入で、既存の主な客層だった学生や男性一人客に加え若い女性らの取り込みを図ってきた。
改装後は、渋谷駅から近い立地や老舗ながらモダンな内装などが支持され、音楽イベントや企業の商品とのコラボレーションなども話題を集めてきた同湯。「店の外壁のクジラの絵を見て『クジラの銭湯』とも呼ばれている」(取締役の大和慶子さん)など固定客からも親しまれ、特に人気が高く「受付でも浴室でもお待ちいただくことが多かった」(同)というサウナの改装に今回、踏み切った。
改装したのは男湯のサウナ。これまで遠赤外線方式だったサウナを、熱したサウナストーンにアロマ水をかけ発する蒸気を浴びるフィンランド式のロウリュに造り替え、8人だった収容人数も最大14~15人まで増やした。サウナの拡張に伴い水風呂を移設したほか、リニューアルの「目玉」となるのが、バックヤードを全面改装し外に出て楽しめる外気浴スペースだ。椅子9脚を置き、うち2席のゆったりと座れる大きめなチェアが人気という。
サウナでは、20分おきに自動でアロマ水をストーンにかけるオートロウリュを稼働させているが、それに合わせ1時間に1~2度、スタッフが専用の大きなうちわで空気を対流させ、居合わせる客は両手を上げて蒸気を受け、スタッフに「お代わり」を求める客が多いという。新型コロナウイルスの影響で「黙浴」が定着するなか、こうしたコミュニケーションも銭湯やサウナの楽しみ方の一つになっている。
同湯はこれまでも女性客に比べ男性客の利用が多く、サウナを待つ客も男性の方が比較的多かったことから、女湯では拡張スペースが取れなかったこともあり、今回男湯のサウナをリニューアル。2月26日の定休日には、レディースデーとして女性が男湯も使える女性限定の営業を行い、「サウナや外気浴目的のお客さまがとても多かった。オープンから閉店まで、最後まで行列が途切れることがなかった」ほどの人気だったという。女湯にも以前からあるサウナ(8人収容・遠赤外線)はあるが、人気を受け、今後、不定期でレディースデーを設けることも検討している。
リニューアルに際し、サウナのほか、エントランスや女湯・男湯ののれんも新しくした。「『クジラの銭湯』なので、クジラが入ってきて銭湯で『整って』宇宙を漂うイメージ」で、いずれも星の中をクジラが雄大に漂うイメージを各のれんで表現した。受付ではステッカー(各300円)やイメージカラーの青いお湯になる樹木の香りがするという入浴剤(1個200円)なども新たに販売する。TシャツやロングTシャツも3月に発売する予定。
料金は、入浴料=大人480円、中学生300円ほか、サウナ(バスタオル・フェースタオル付き)=450円。営業時間は13時~24時(日曜・祝日は12時~23時)。土曜定休。