日本代表候補として強化合宿に参加しているサンロッカーズ渋谷(SR渋谷)の西野曜選手が2月8日、メディア取材に応じた。
3ポイントシュートや機動力を生かしたプレーを強みとする西野曜選手
9月に予定されている「第 19 回アジア競技大会」に向け今月7日から行っている今回の合宿。本来は、今月末に予定されている「FIBAバスケットボールワールドカップ(W杯)2023」アジア地区予選に向けた合宿を予定していたが、新型コロナの影響でBリーグや天皇杯の代替試合が組まれその合宿が短くなったなか、「やらないのはもったいない。若い選手が見たい」(トム・ホーバスヘッドコーチ(HC))と平均年齢23.4歳となる若手中心の15選手を招集した。
西野選手は1998(平成10)年大阪生まれ。身長199センチ。近畿付属大学付属高校、専修大学卒業。大学時代には2・3年次に全日本大学バスケットボール選手権大会(インカレ)で準優勝、3年次には得点王にも輝いた。高校時代からアンダーカテゴリーの日本代表に選ばれ、2019年からは3人制バスケットボール「3x3」の代表も経験している。
プロとなって初の5人制代表候補となり「新鮮な気持ち」と言う西野選手。同世代の選手が多いなか、高島紳司選手(大東文化大学・大阪エヴェッサ)や金近廉選手(東海大学)、今回は招集されていないが吉井裕鷹選手(アルバルク東京)の名前を挙げ、「似たようなポジションは全員大阪(出身)。そういう人たちが自分のライバルだと思うので、負けないように頑張っていきたい」と意気込む。
代表では「トムHCの考え方にどれだけ早く適応して、コートで表現できるかが大事」と言い、ホーバスHCから各選手に「Bリーグでの結果は関係ない。強みを出してほしい」と伝えられているなか、「オフボールでの動き、バックカット(ディフェンスの裏をかく動き)などで要所で3ポイントを狙っていけたら自分らしさが出せるんじゃないかな」と話す。
西野選手はスモールフォワード(3番)とパワーフォワード(4番)の2つのポジションでプレーできるのも特徴。SR渋谷の試合でもそれぞれのポジションで出場しているが、「4番で出た時はスピードのミスマッチを生かしてうまいこと攻められていると思うし、3番では外(外角エリア)でプレーするというより基本的にミスマッチになるので、ポストプレー(ゴール下付近での1対1)やオフェンスリバウンドに絡みに行くことが現状できること。代表でもやることはそんなに変わらない」と考える。ホーバスHCは「5アウト(全員が外角に位置取る攻撃)」を起用することから、「3番・4番ができるのは生かせるのでは」とも。
西野選手は招集された中で5番目に高い身長となる。ポジションに関してホーバスHCは「ビッグマンが少ないから3番で使いたいが、この(日本代表の)システムではストレッチフォー(外角のシュートも得意な4番)の方がシュートチャンスがある。練習は明日からなのでまだ分からないが両方で使いたい」と考えを明かす。
身長に関してSNSでは、SR渋谷の石井講祐選手や田渡修人選手に「199?」「200弱」などと突っ込まれているが、西野選手は「199にすごくこだわっている。修人さんとかは『同じだろ』『200の方が良いだろ』とか言うがはたから見たら違う。例えばスーパーとかで199円と200円で売っているのと同じ(くらい違うもの)だと僕は思っているので、絶対に199の方がいい。よろしくお願いします」と語気を強めた。
ホーバスHCは「今回のメンバーは(Bリーグの)試合に出る時間が短いので、うち(自分たち)のバスケットに合っているのかチェックしたい。このメンバーが経験を積んだらA代表(トップ選手で構成する日本代表)のチャンスがあるので、今からこのバスケットを教えた方が良いかなと思った。良いチャンスだと思う」と期待を寄せ、「良い仕事、特別な姿を見せてくれたら(W杯の合宿に)呼ぶチャンスがあるのは間違いない」と続けた。
合宿は今月10 日まで。アルバルク東京はBリーグの試合が控えていることから選手は招集されていない。