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渋谷区、2022年度当初予算案発表 コロナ対策に最大22億円

渋谷区役所

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 渋谷区が2月3日、2022年度の当初予算案を発表した。

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 オミクロン株の発生により新型コロナウイルス感染症の感染拡大が予断を許さない状況のなか、来年度の予算はコロナ対策に「万全を期す」ほか、区制施行90周年を迎えることから、未来を見据えた「人づくり」「街づくり」にも積極的に取り組んでいくという。一般会計予算額は、総額1,062億6,700万円で、対前年度比6.9%増の予算規模となる。歳入のうち「最重要財源」となる特別区税は、ふるさと納税に伴う減収が拡大しているが、来年度は534.7憶円と対前年度比7.2%増となる。

 新型コロナ対策は22憶7,000万円と最も多くの予算を計上する。3回目となる追加接種は昨年末から始めているが、低年齢層への感染が拡大しつつあることから小児(5歳~11歳)への接種を「着実に」行うため、巡回型集団接種会場の設置や、個別医療機関を確保するなど接種体制を整える。

 新型コロナの影響でダメージを受けている事業者には特別融資や対策グッズの配布などを行うと同時に、キャッシュレス決済を活用したポイント還元で消費活性化事業を行ってきたが、還元されたポイントが区外でも利用できることや区民への優遇が困難などの課題もあり、区独自のデジタル地域通貨事業の開始を9月に目指す(2億7,100万円)。

 明治神宮鎮座100年を機に整備を進めている、明治神宮の参道の一つである西参道と隣接する首都高速道路4号線の高架下の一部の再整備「西参道プロジェクト」には7億3,400万円を計上。明治神宮西門から甲州街道に至る区間の道路を整備するほか、自転車集積所や西参道児童遊園地などがある高架下には、将棋文化の発信・普及・振興拠点となる「駒テラス西参道」を新設。既存の公園は改修などを行う。来年度は高架下施設前を含めた代々木4丁目側の整備を行うという。

 かねて進めている玉川上水旧水路緑道再整備(5億4,800万円)は、設計者らに加え地域住民と共に対話をする「ササハタハツ会議」や出張座談会などを引き続き実施するほか、来年度は工事に支障となる電柱の地中化なども行う。

 7月からはプラスチックを可燃ごみから資源に変更。ペットボトルを除きおおむね30センチ以内のプラスチック製品を一括して週に1回回収することで、ごみの減量や温室効果ガスの排出削減をはじめとした地球環境への負担軽減を図る。同事業に合わせ、ごみ分別案内アプリを新たに導入する予定。予算は3億8,000万円。

 昨年末に休館した「ふれあい植物センター」のリニューアル事業(1億6,900万円)は6月に改修工事に着手する。設備の経年劣化の起因となった熱帯植物の取り扱いはやめるが、植物園の鑑賞機能は保持したまま、水耕栽培など屋内栽培機能をつくり、収穫の体験や野菜などの栽培、地産地消をコンセプトにしたカフェ、ボタニックショップなどを新設する予定。

 コロナ禍で非接触型社会化が促進されるなど、区民らとのデジタルコミュニケーションは「ますます重要」となっていることに加え、多様化・高度化が進む利用者に合わせた情報や窓口を提供するポータルサイトの構築(1億2,000万円)、大山街道(宮益坂・道玄坂)の街並みづくり(5,900万円)、本年度本格的に開始した高齢者のデジタルデバイド解消事業(3億3,300万円)、パラスポーツを中心に東京オリンピック・パラリンピックのレガシー推進事業(6,400万円)などにも取り組む。

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