Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が2月5日、川崎ブレイブサンダース(同、川崎)と対戦した。
今季3戦目の対戦となった両チーム。SR渋谷は立ち上がりミスから入るも、強みのオフェンスリバウンドから得点を重ねる。川崎がゾーンディフェンスを敷き得点が伸び悩むなか、高橋耕陽選手が長距離のシュートなどでチームを引っ張るが、20-27と第1クオーター(Q)からビハインドを負う。
試合が大きく動いたのは第Q。川崎が再びゾーンディフェンスを敷くと「良いシュートが打てなくて」(伊佐勉ヘッドコーチ(HC))得点を11点に抑えられると同時に、「僕らのショウ(スクリーンプレーに対するディフェンスの1つで、ボールマンを牽制する動き)に対してオープンを作られ良いタイミングで打たせてしまった」(伊佐HC)と3ポイント(P)シュートを4本決められるなどして31-52と点差を広げられる。
第3Qにはこの日最大24点のリードを許すが、ジェームズ・マイケル・マカドゥ選手がインサイドで強さを見せたほか、石井講祐選手は川崎の外国籍選手からボールを奪い取り得点をつなげ、ベンドラメ礼生選手はオフェンスファウルを誘発するなど好守を見せた。
51-70で迎えた最終Qは、「時間は無いし点差もあり、このままでは川崎の上手いゲームコントロールで終わる印象だった」ことから、伊佐HCは機動力のあるビッグマンのラインアップを立ち上がりで起用し、川崎のガード陣にダブルチームを仕掛けていった。最初のディフェンスで「甘いパスを狙っていた」高橋選手がパスをカットしレイアップを決めたほか、左利きの川崎・篠山竜青選手に対し右手でドリブルをつかせるよう守っていたなか、「常に狙っている」と抜かれそうになった瞬間に後ろから手を伸ばしボールをカットし得点につなげた。さらに、残り約1分からの攻撃の場面で自らボールを要求すると、川崎のディフェンダーが離れていたことから「自分が打った方が良い」とラインから離れた位置からの3Pを沈めたが、「(ディフェンスが寄ってきたら)パスを出していたので判断は良かった」と自己評価した。
随所でミスを誘う好守に合わせ、盛實海翔(もりざね・かいと)選手や田渡修人選手といったシューター陣の3Pも決まり最終Qで35点を挙げる猛追を見せるも及ばず、86-93と惜敗した。
第2Qの差が「大きすぎた」と敗因を挙げた伊佐HC。ディフェンスから点差を詰めたほか、リバウンドは川崎を10本上回ったなか、オフェンスリバウンドから26点を挙げるなど強みを発揮した点について「自分たちの色は出せた」と一定の評価をしつつ、「それでも簡単には勝てない相手」と振り返った。
この日16得点を挙げ2試合連続の2桁得点となった高橋選手は、「やっとちょっと調子が戻ってきた感じはある。攻め気をもってプレーしたい」と手応えをうかがわせる。ここ数試合、積極的にシュートを放っているが「シュートを狙わずにパスしか考えていない時の方が(自分の)ターンオーバーが多い。リバウンドは外国籍選手が取ってくれるのを信じて強気で打っていこうと思っている」と言う。この日は渡辺竜之佑選手も強みのリバウンド力を発揮したが、「ガードであのポジション(=ゴール下)に入る選手はあまりいないと思うが(笑)、特別、竜之佑がリバウンド強くて任されている」と信頼を寄せる。
両チームは6日も戦う。SR渋谷は、新型コロナウイルスの濃厚接触者と判定され欠場が続いていたジョシュ・ハレルソン選手が復帰し試合前にはシュート練習をする姿も見られたが、この日はベンチ外となった。6日の出場について伊佐HCは「どうなりますかね(笑)。僕にも分からないのでトレーナーと話したい」と言及するにとどまった。