三菱地所は1月28日、渋谷・道玄坂2丁目地区で進む再開発について、このほど設立された再開発組合の参加組合員としてプロジェクトに参画すると明らかにした。これまで丸の内を中心に、四谷や田町、豊洲などの都内で開発を進めてきた同社が渋谷駅周辺の大規模再開発に参画するのは初めて。
道玄坂を上り左側に広がる「コ」の字型の敷地で進む「道玄坂二丁目南地区第一種市街地再開発事業」では、サッカーコート1面に相当する広さ約0.8ヘクタールの土地を刷新。市街地再開発事業の施行により都市機能を更新し、京王井の頭線「渋谷」駅と直結する大規模複合施設や歩行者ネットワーク、広場などを整備し、道玄坂1丁目と2丁目のネットワークの強化や、駅西側の新たなにぎわいの形成、防災機能の強化などにつなげる。
所在地は渋谷区道玄坂2丁目38 番他。敷地面積は約6720平方メートル、延べ床面積は約 8万7100平方メートル。地上 30 階・地下 3 階(塔屋 2階)、高さ約155メートルの「オフィス棟」と、地上11階・地下2 階(塔屋1階)、高さ約60メートルの「ホテル棟」を建設する。オフィス棟は1階~3階に店舗、3階~30階にオフィスが入る予定。デザイン総合監修は、スペイン坂のミニシアター旧「シネマライズ」(2016年1月閉館)が営業していた「RISE」ビルなどをデザインした北川原温建築都市研究所(千駄ヶ谷2)が手掛ける。
再開発では、道玄坂1丁目と2丁目をつなぐ南北のネットワークを形成。結節点に約 850 平方メートルの広場や約 50メートルにわたる緑道を設ける。店舗やホテル、広場などの交流の場を提供することで情報発信などにもつなげ、駅周辺から道玄坂への人の流れや回遊性の向上を目指す。オフィスには各フロア 1500 平方メートル以上の貸付面積となるオフィスビルを計画し、帰宅困難者のための一時滞在施設も整備を予定する。
2022 年度の権利変換と解体着工、2023 年度の新築着工、2026 年度の完成を目指す。